真夏の祭典は劇的な同点幕切れ「今年のリーグ戦、面白そうやな!と思ってもらえるように」|第11回関東大学ラグビーオールスターゲーム2023

照り付ける日差しの下、観客の声援も戻り、明るい雰囲気の中行われた第11回関東大学ラグビーオールスターゲーム2023。

スペシャルな選手たちの競演は、劇的な同点幕切れとなった。

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対抗戦選抜×リーグ戦選抜

対抗戦選抜 43-43 リーグ戦選抜

たくさんの笑顔の中、それぞれの特徴を活かした攻撃が繰り広げられた。

最初のスコアは対抗戦選抜。マイボールスクラムからボールを開くと、15番・髙田賢臣選手(筑波大学)が持ち込んでトライ。

自らでコンバージョンゴールも成功させ、7点を先制した。

一方のリーグ戦選抜も、すぐさま取り返す。

ラインアウトからNo.8佐川奨茉選手(日本大学)が押し込み、試合を振り出しに戻した。

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続く攻撃は、対抗戦選抜。5番・本橋拓馬選手(帝京大学)、9番・李錦寿選手(帝京大学)が立て続けにジャッカルを決めると、敵陣深くでのスクラムからNo.8延原秀飛選手(帝京大学)がトライ。

リーグ戦選抜も、ゴール前での近場勝負から12番ジョアペ・ナコ選手(日本大学)が取り切った。

取って取られての乱打戦。なんともオールスターゲームらしい展開は続く。

対抗戦選抜3トライ目は、帝京大学の選手たちが球際の上手さを発揮し、繋いだボールを13番・秋濱悠太選手(明治大学)が取り切った。

対するリーグ戦選抜は前半終了間際、快速ウイング14番・中川湧眞選手(東海大学)が2本、走り切る。

19-26、リーグ戦選抜の7点リードで前半を折り返した。

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後半は、リーグ戦選抜CTBナコ選手のジャンピングトライで幕を上げる。

14点のリードを得たリーグ戦選抜だったが、そこから対抗戦選抜が怒涛の4連続トライ。

一気に逆転し、対抗戦選抜が43-33と引き離した。

それでも諦めなかったリーグ戦選抜。

粘り強くボールを繋ぎ、敵陣22mでペナルティを得ると、10番・武藤ゆらぎ選手(東海大学)がクイックスタートを切る。

縦に抜け、右のショートサイドへオフロードパスを放れば、最後は9番・稲葉聖馬選手(大東文化大学)がトライを決めた。

43-38と対抗戦選抜5点のリードで迎えた後半ロスタイム。

ラストワンプレーで決めきったのは、リーグ戦選抜だった。

11番・石岡玲英選手(法政大学)がディフェンダーを交わしながら左サイドを駆け上がり、リーグ戦の大応援団の目の前で飛び込んだ。

43-43、同点。

最後のコンバージョンゴールが決まれば、逆転。

託されたのは、SO武藤選手。

しかし惜しくもボールはポール脇を通過し、決まらず。43-43の同点で、真夏の祭典は幕を下ろした。


ウォーター係のナコ選手は笑顔で手を広げ、武藤選手を迎え入れた

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試合後コメント

対抗戦選抜 相馬朋和監督(帝京大学)

見ている人が熱くなるような試合だったのではないでしょうか。我々がワクワクするようなチームになっていきました。

また、声出し応援も解禁され、昨年とは全く違う雰囲気のオールスターでした。

学生たち自身が応援して、ファンも歓声で応える。この時期にこのようなイベントがあることは良いことだと思います。

対抗戦選抜 江良颯キャプテン(帝京大学)

今日意識したことは、コミュニケーションを増やすこと、対抗戦のプライドを持つこと、楽しむこと。

そして、それぞれの強みを消さずに、活かせるような言動を心掛けました。

今日戦った仲間たちと、大学ラグビーを引っ張っていけたらと思います。

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リーグ戦選抜 木村季由監督(東海大学)

リーグ戦53大学の代表として、たった1日限りのチームですが『どれだけ貫けるか』がテーマでした。

アグレッシブに持ち味を出し、暑い中良いプレーをたくさんしてくれたと思います。

最後まで痺れる時間を作れたことは良かったです。

リーグ戦選抜 谷口宜顕キャプテン(東海大学)

リーグ戦選抜が対抗戦選抜に勝つことで「今年のリーグ戦、面白そうやな」と思ってくれる方も増えると思います。だから個人的には「絶対に勝ちたい」というマインドを選手たちに伝えていました。

今日一日を通して、大学ラグビーに関心を持ってくださる方が増えたのではないかな、と思います。今日の試合を通過点として、これから大学ラグビーに関心を持つ人が増えていけば、と願っています。

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たった一人の1年生

大学1年生から唯一、15人制のオールスターメンバーに選ばれた選手がいる。

筑波大学・増山将選手。

「追加招集という形でしたが、素直に嬉しかったです」と喜びを表した。

大学に入学し、早くも3ヶ月が過ぎた。

初めての春は、5試合すべてに出場し5トライを挙げるなど、スキルの高さを存分に見せつけた。

悩みの出てくる時期かと問えば「ずっと上向きです」と笑顔で答える。

「春季大会がすごく調子良くて。今、こういう形でオールスターにも出させてもらえています。」

充実した春を過ごした結果の、オールスター初選出だった。


唯一の悩みは「勉強が・・・」と苦笑い

春季大会では、5試合中4試合で15番をつけた。そのいずれもフル出場。

だからこそ、責任感は増した。

「東海大大阪仰星高校時代とは違う、自分で強気にランで仕掛けてしっかりトライを決めきる選手になっていきたいと思います。」

2か月後にやってくる、1年目の秋を早くも見据えた。


「今日はすごいメンバーと戦えて、光栄でした。」

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