長野県上田市菅平高原・サニアパークにて行われている、第10回全国高等学校7人制ラグビーフットボール大会。
大会2日目となる7月16日(日)には決勝トーナメントの1回戦、ならびに準々決勝が行われ、前回大会王者の報徳学園は2年連続となる準決勝進出を果たした。
1回戦で天理に、準々決勝では常翔学園と、近畿勢との戦いに勝ち切った報徳学園。
セブンズユースアカデミーのメンバーでもある長谷川諒選手やタウファテビタ悦幸選手らが核となりゲームを作れば、周りの選手も阿吽の呼吸で走り込んだ。
今年も間違いなく強い報徳学園において、目を見張るのが下級生の躍動。
今大会のジャージーを勝ち取った、1年生トリオの活躍が目覚ましい。
中でも西條裕朗監督が太鼓判を押すのが、長一輝選手。「小さいけどステップが切れる。セブンズには必要なタイプ」と信頼を寄せる。
長選手は神奈川県出身。1年前までは、桐蔭学園や東海大相模など神奈川県内の高校に進学しようと考えていた。
転機が訪れたのは昨春の全国選抜大会。
報徳学園が桐蔭学園を破って全国優勝する姿を現地で目の当たりにすると、衝撃が走った。
「まさか桐蔭学園に勝つ高校があるとは思っていなくて。」
自身の好むプレースタイルは、ランや広くボールを展開するラグビー。理想形を体現するチームに心惹かれ、報徳学園への入学を決めた。
入学して、まだ3か月。
連覇を狙うチームの戦力になるプレッシャーは相当か、と思いきや「先輩たちが優しいので、楽しくプレーできています」と、報徳学園らしいチームカラーをのぞかせる。
「相手には3年生も多い。スピードが速いのでディフェンス面では追いつけない部分もありますが、自分の持ち味は相手との間合いを取って走ること」と自負するその巧なランワークで、天理戦では1トライ。チームの勝利にも貢献した。
いよいよ大会最終日、残るはあと2試合。
まず一つ目、準決勝の相手が地元・神奈川県代表で、かつて目指した桐蔭学園というのも不思議な巡り合わせだ。
「先輩たちが良い試合のスタートを切ってくれると思うので、僕が出場することでチームのレベルが下がることのないように。持ち味であるランで、チームを少しでも勢いづけられたらと思います。」
目指すは1トライ。大会連覇の一翼を狙う。