何度も繰り返した感謝の気持ち
フィジー代表のヘッドコーチ、そしてキャプテンは、試合後の記者会見で口々に感謝の言葉を述べた。
「フィジーの女子ラグビーは、クラブラグビーで20年。外に出るのは、ここ3年ぐらいのことです。2つのテストマッチをしてくださった日本にお礼を申したい。」
日本代表のレスリー・マッケンジー ヘッドコーチも呼応するように「フィジー代表が来日を優先事項の1つとし、日本に来られたことを嬉しく思います」と喜んだ。
マッケンジーHCはさらに、この試合の主審を担当したナターシャ・ガンレイ レフリーが初めてのテストマッチだったことにも言及。「レフリー含め、女子ラグビーがどんどん発展していることにワクワクしています」と、競技としての女子ラグビーの進展に笑顔を見せた。
キャプテンがすべきトライ
試合登録メンバー23人のうち半分以上がキャップ数一桁と、若きサクラフィフティーン。
どのように試合をマネジメントし、どのように勝つか。一つひとつを経験しながら、自分たちの現在地がどこにあるかを確認するゲームだったという。
「このような激しい競争を経験できたことは価値のある事」とマッケンジーHCは話す。
特に評価したのは、キャプテンを務めた長田いろは選手だ。
「いろはは急成長しています。キャプテンとしてどうあるべきか、どうプレーするべきかを学びました。今日彼女が決めたトライは、キャプテンらしい、キャプテンがすべきトライであったと思います。」
キャプテンらしい、キャプテンがすべきトライ。試合後には、最後まで観客のサインに応じた。
最年少、大学1年生・松村美咲「チームに勢いをつけられるような選手に」
早稲田大学1年生の松村美咲選手(東京山九フェニックス所属)。
キックを武器とする、強くて速い18歳が躍動した。
15人制へ本格的にチャレンジするきっかけとなったのは、昨冬、花園で行われた女子東西対抗戦だった。マッケンジーHCが視察に訪れると、声が掛かる。「15人制に向いている選手。15人制をやった方がいい。」
あっという間に、桜のジャージーまでたどり着いた。
高校は30分ハーフだったため、80分間の試合時間を経験したのはこの太陽生命 JAPAN RUGBY CHALLENGE SERIES 2023が初めて。「80分間通して走り続けられる体力と集中力、そしてフィジカルが課題です」と伸びしろを語る。
この日は出身校である関東学院六浦の後輩たちも応援に駆け付けた。
「後輩たちが『かっこよかった!』と言ってくれて嬉しかったです」。お世話になった方々も見に来てくれて特別な機会でした、と喜んだ。
同級生でいち早く桜のジャージーに袖を通した者として。
「7人制も15人制も両方で活躍したい。15人制ではチームに勢いをつけられるような選手になりたいです。」
これからもジャパンであり続けられるように頑張りたい、と誓った。