試合概要
第103回全国高等学校ラグビーフットボール大会埼玉県予選 準々決勝
【対戦カード】
慶應義塾志木高校×本庄第一高校
【日時】
2023年11月4日(土)13:00キックオフ
【場所】
熊谷ラグビー場Aグラウンド
試合内容
慶應義塾志木高校 21 – 12 本庄第一高校
序盤はなかなかスコアならなかった両チーム。
均衡が破れたのは、前半24分だった。
本庄第一が敵陣5mでマイボールスクラムを組むと、8番・杉田脩選手の球出しからボールを受け取ったのは9番・杉田猛キャプテン。そして12番・加藤唯斗選手に回せば、縦に抜けそのままグラウンディングした。
15番・岩﨑瑛汰選手のコンバージョンゴールも決まり、本庄第一が7点を先制した。
0-7で折り返した後半、立て続けにトライを奪ったのは慶應志木だった。
モールからの機を見たバックス展開で3トライ。バックスリーがそれぞれにスコアラーとなった。
試合終了間際に本庄第一も1トライを返したが追いつかず。
21-12、慶應志木がベスト4へと歩みを進めた。
最後のノーサイド ~本庄第一
新井昭夫監督が赴任したことをきっかけに、再始動した本庄第一高校ラグビー部。
今年の3年生が1年生だった頃は、合同チーム。
2年生で単独チームとなり、ベスト16入り。
そして3年生となった今年、念願の熊谷ラグビー場Aグラウンドまでたどり着いた。
杉田猛キャプテンは、1年次からキャプテンを務めていた。今年でキャプテン3年目。
しかし過去には1人だけ、先輩がいた。
昨年度3年生だった、ロナウド先輩。勧誘し、本庄第一でラグビーを始めてくれた先輩だった。
「僕たちはロナウド先輩が大好きで。プライベートでもお世話になっていて。去年、Aグラウンドに連れて行くって約束したのに叶えられませんでした。」
だから今年は、一緒に。腕に巻いたテーピングには、英語でロナウド、としたため挑んだ。
杉田キャプテンは、新井監督が寄居中学校でラグビー部の監督を務めていた頃の教え子。
他にも幾名か寄居中出身者が並ぶが、選手だけではない。
マネージャーの市川十有(いちかわ そう)さんも、寄居中出身。本庄第一に進学すると知り、新井監督がマネージャー職に誘った。
マネージャーだって、誰も先輩はいない。だから全国の強豪校に出向き試合をするたび、そこで働くマネージャーの姿を観察して自らの仕事を覚えた3年間だった。
いつしか、将来は選手を支える立場になりたいという夢もできた。進学先は、アスリートコンディショニングが学べる所を目指している。
部員50人ほどの大所帯となった、本庄第一高校ラグビー部。
想いを継ぐ人は、多くいる。
目指したその先の道のりは、明るく、陽気な、何よりも心強い後輩たちへと託された。
SIDE STORY ~試合を終えて