2月10日(土)に開幕した、令和5年度 第24回関東高等学校ラグビーフットボール新人大会。
大会3日目となった17日(土)には茨城県・水戸市立サッカー・ラグビー場で準決勝が行われ、國學院栃木と桐蔭学園が決勝に進出した。
準決勝 第1試合
東海大相模×國學院栃木
東海大学付属相模高等学校(神奈川県第2代表)0-24 國學院大學栃木高等学校(栃木県第1代表)
最初のスコアは國學院栃木。
前半9分、13番・根岸悠羽選手が左端にトライを決めれば、5点を先制した。
対する東海大相模は、何度もゴール前まで迫るが取り切れない。
風上だった前半のうちに得点を取りたい所だったが、スクラムでもペナルティを取られ、陣地を広げることはできず。
國學院栃木のディフェンスが刺さり続けた。
追加点は前半28分。
ラインアウトから國學院栃木15番・永沢拓夢選手がスルッと抜け、ボールを受けた7番・加藤成悟選手がトライ。
10番・神尾樹凛選手のコンバージョンゴールも成功し、0-12と國學院栃木のリードで前半を折り返した。
後半風下に立った東海大相模は、キックが飛ばずエリアマネジメントに苦しめられる。なかなか敵陣に入ることができない。
後半最初の得点を奪いたい所だったが、またしてもトライは國學院栃木。
ラインアウトからFWを当てると、左端で12番・福田恒秀道選手がグラウンディングした。
後半17分には14番・井戸川ラトレル選手の50:22をきっかけに、國學院栃木が局地戦でトライ。
24-0とさらにリードを広げ、ついにはその差を守り切った。
國學院栃木が決勝戦への切符を掴んだ。
しなやかな動きを見せた14番・井戸川選手。吉岡監督曰く「最初のハイパントキャッチが成功して、波に乗れたのでは」
東海大相模
ゴール前まで迫った。
1度ならず2度。3度。
しかし、國學院栃木のディフェンスに屈した。
「強みのFWを活かしきれなかった」とは三木雄介監督。
2番・矢澤翼キャプテンも「こだわりきれなかった。FWがねじ込むべき所で、バックスに託してしまった。FWの自信のなさが垣間見えた瞬間だった」と話す。
焦りが、計算外の動きを生み出してしまった。
こだわってきたことに、こだわり切れなかった。
だから「悔やまれます」という言葉を、矢澤キャプテンは何度も繰り返した。
「一回、FWで押し込めていれば何か変わっていたかもしれない。」
だからこそ、悔いた。
三木監督は言う。
「國學院栃木さんの良いバックスに、しぶといディフェンス。たくさん勉強させて頂きました。」
明日は國學院久我山との3位決定戦。
「選抜に向けて、明日の試合がすごく大事になる。今日の負けは今日の負け。切り替えます。チームとしても、個人としても伸びしろいっぱいなので。成長の目論見があります。」
成長した姿を、22時間後の3位決定戦で。
國學院栃木
「初めて県外に出ての公式戦。この時期はやってみなきゃ分からない。1・2回戦も驚いて、今回も驚いた」と話すは、吉岡肇監督。
ボールを持てばミスすることなくワイドに動かし、恐れることなく真っ直ぐ力強く縦に当たる。
緩急つけた攻撃で4トライを奪えば、守っても零封。
引き締まったゲームをみせた。
2年連続タクトを振るうは、神尾樹凛選手。
「安定感がある。去年からレギュラーだけど、3年生が引退したら背負うものがあるのか。しっかりしなきゃ、というのがプレーに出ているよね」と吉岡監督が称すとおり、安定感の醸成に一役買った。
最高学年になった。
「昨年から試合に出ている自分がチームを引っ張らないと、という気持ちが出てきた」と神尾選手自身も話す。
1番・牧田玲大選手とともに、今季のバイスキャプテンを務める。
時には自らで仕掛けながら、時にはチームを活かしながら。
スタンドオフとして、『花園でチームを勝たせる10番』を目指している。
先の花園ではベスト16。ベスト8に届かず、敗れ去った。
「ハルヒ(中大春日丘)に敗れてから、ベーシックスキルの練習を続けてきました。初心に返るイメージです。自分も周りも同じ基礎練習をしているからこそ、みんなを信頼できている。頼れる人がたくさんいます。」
例え誰かがミスをしても、焦ってしまったとしても、全員でコミュニケーションを取れている。どんな局面でも、意思の疎通を図れる自信がある。
それがチームの、そして自身の落ち着きに繋がっているのだと説明した。
ベンチからの「ビッグスクラム!」の掛け声直後、相手ボールスクラムでペナルティを得た
残すはいよいよ決勝戦。
2年連続、桐蔭学園との対戦になった。
「勝つしかない。今年は勝利にこだわったチーム作りをしています。明日は勝ちにこだわって、たくさん点を取ります。(神尾バイスキャプテン)」
磨いてきた、ベーシックスキルを披露する。
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