U20日本代表候補、埼玉WKとの初陣で手応え。1ヵ月のFW合宿があったからこそ「ギリ戦えた」

7月にスコットランドで行われる『ワールドラグビー U20トロフィー』に向け、本格始動したU20日本代表活動。

3月8日(金)には初陣となる練習試合を行い、リーグワン初代王者・埼玉パナソニックワイルドナイツを相手に14-74で敗れた。

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試合展開

埼玉WKボールでキックオフを迎えると、最初に勢いを掴んだのはU20。

「互いに強い試合最初の20分間で、どう自分たちのラグビーを出していくか、良いスタートダッシュを切れるか、にフォーカスしてウォーミングアップの時からマインドを作っていた」と話すはゲームキャプテンを務めたSO本橋尭也選手。

言葉どおり、試合最初の10分間はポゼッションも高く、ボールを動かす。最初に敵陣22m内でアタックを仕掛けたのはU20だった。

ハイボールの落下地点に入りボールを獲得したのはCTB竹之下仁吾選手。インターセプトからチャンスメイクをしたのは、この日が19歳の誕生日だったCTB上田倭士選手。

FL太安善明選手は何度も接点でファイトし、好タックルを見せた。


「自分はまだまだタックルが強くない。もっと相手をドミネートしたい(太安選手)」

ファーストスクラムでも、好感触を手にする。

前半1分50秒、自陣での埼玉WKボールスクラムにプレッシャーをかけ、球出しでのノックオンを誘った。


ハイタッチを交わしたPR森仁之輔選手とSH髙木城治選手

だが徐々に接点で圧力を受けると、先制するは埼玉パナソニックワイルドナイツ。

前半16分、FLベン・ガンター選手の強烈なフィジカルからトライを決められる。

その4分後には、左ウインガーに外側のスペースを走り切られた。

U20が最も注力した前半20分の間のスコアは、0-14。

FWが縦に縦にと我慢し、良いワークレートを発揮すれば奮闘を見せた。

前半26分には、自陣でのマイボールスクラムでターンオーバーされるとそのままFW戦から3トライ目を許す。

2分後にもキックパスが繋がり、右ウインガーにトライを決められ0-28と差を開かれた。

会場がひと際沸いたのは、前半30分のことだった。

スタンドオフが伊藤龍之介選手に交替した直後、キックカウンターからボールを受けたFB矢崎由高選手がディフェンスを切り裂き独走。

「試合前、大久保HCからも『カウンターはどんどん積極的にバックスでボールを展開していくように』との話があったので、狙っていけたかなと思います」とファーストトライシーンを振り返った矢崎選手。

自身は「前が空いていたので、あとは走り切るだけ」と言ったが、何人ものディフェンダーの間をかいくぐり、交わした個人技は見る者を魅了した。

SH髙木城治選手選手のコンバージョンゴールも成功し、7-28。

その後も5mラインアウトの機会を作るなどゴールラインに迫ったが、日本代表ベン・ガンター選手の長くて強い腕にボールを奪われた。

前半終了間際にはブレイクダウンでのペナルティがかさんだU20。埼玉WKがペナルティゴールを選択すれば、3点を追加し7-31で前半を折り返した。

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後半は、選手を大きく入れ替えたU20。

前半同様、立ち上がりに勢いを掴みたいところだったが、自陣22m付近でのミスからボールが相手に渡ってしまう。そのまま繋がれてしまうと、右隅へのトライを許した。

先制パンチを食らったU20。

このまま流れが相手に渡ってしまうかと思われた後半10分、U20が魅せる。

ラインアウトからボールを受けたSO伊藤龍之介選手がグラウンド中央部でビッグゲインを決めると、倒されながらもボールをFB矢崎選手に託す。

するとそのまま矢崎選手が、一人外側にウイングを余らせた状態でおよそ30mを走り抜いた。

「(伊藤)龍之介が良いチャンスメイクをしてくれたので、あそこでもらって走り切ることがバックスの役目」と、あくまでも役割を遂行したトライだったと話した矢崎選手。

外側には並走していたプレーヤーもいたが、「自分で行ける状況だったので、へんにパスしてミスするよりも自分で走り切った方が落とすリスクは少なくなる」とトライの確立を自らで高めた。


2月上旬には、日本代表のトレーニングスコッドに初招集。「レベルの高い環境に置かれて練習したことで、『自分はここで満足しちゃいけない』と再認識しました。(矢崎選手)」

しかしその後は、なかなかボールを持てない時間が続く。

エリアも自陣に張り付くことが増え、埼玉WKのディフェンス力、そして修正力を肌身をもって実感したU20たち。

後半15分にはモールから、21分にはラインアウトモールでパイルアップをとられたことを起点とする相手ボールスクラムからのムーブで一発。

26分には再びラインアウトモールで一押しされ、その3分後には美しいキックパスからのトライを許した。

後半35分過ぎにも2本の追加トライを取り切った埼玉WK。

最終スコアは、U20日本代表候補が2トライ2ゴール。

埼玉パナソニックワイルドナイツが11トライ8ゴール1PGの14-74で、試合は終了した。

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