大阪桐蔭、桐蔭学園にリベンジ成功。6年ぶり4回目の決勝へ「僕たちはチャレンジャー」|第25回全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会 準決勝

大阪桐蔭

「歴史を塗り替えられて良かった」と言うは、12番・名取凛之輔キャプテン。

桐蔭学園に対して、これが自身3度目の挑戦。昨季の花園ではノートライに封じられ、悔しさを味わっていた。

ロースコアな試合内容になることは分かっていた。

だから「ショット1本でも入れて、少しずつ少しずつ継続してトライまで結び付けよう、という話を事前にしていました。」

プラン通り、ゲームを遂行した。

スクラムでは大きな優位性を得た。

何度も1.5mを押し切り、コラプシングを取った。

準々決勝では大きな課題だったラインアウトも「FWがしっかり修正してくれた」と笑顔を見せる。

だが試合開始直後に許した1トライが「まだまだ僕たちのコミュニケーション不足」と新たな課題を口にする。

スクラム前には、FW8人が大きな声を出し、エネルギーを吸い寄せるのが大阪桐蔭。

「僕たちはチャレンジャー。桐蔭学園さんに絶対勝ちたい、という気持ちを、声に出して体を張っています」と名取キャプテンはFWの姿勢について説明した。

それでも試合終了間際になると、熱戦の疲れが垣間見える。声量は小さくなった。

だから、スクラムの真後ろに構えるSO上田倭楓選手は「フォワード、声出せ!」と声を掛ける。

「ラストワンプレーだと分かっていた。ここさえしっかりと凌げば、勝てる状況でした。キープでいいから、しっかり組むようにと伝えました。」ゲームメーカーとして、要所を締めた。

名取キャプテンも補足する。

「最後の方は、FWも疲れて声が出ていませんでした。気を抜いたらダメだと、最後までやり切るために(上田選手が)声を掛けてくれたんだと思います。」

ピンチの場面では、スタンドの応援団から「プレッシャー!ディフェンス!」の掛け声が飛び続けた大阪桐蔭陣。

大きな声援を背に「15人がしっかりと芯を捉えて、ずっとタックルに体を当ててくれた」と綾部正史監督は目を細め、決勝進出を祝った。

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白い旋風

世代屈指のゲームコントロール力を誇るスタンドオフ、上田倭楓選手。

だが、自身が大阪桐蔭に在学中の最高成績はベスト4。

やっと、全国大会の決勝まで辿り着いた。

「全員が初めての舞台。何が起きるか分からないですし、想定外のことも起きると思う。この3か月間でやってきたことを全部出したい」と言った。

対戦相手の石見智翠館とは、大会開幕前日に合同練習を行った間柄。

「何度も一緒に練習をして、何度も練習試合をしてきました。昨季の花園でも対戦しました。分かり合っている相手なので、やりにくい部分はあると思うのですが、お互いに良い部分を出し合って試合をしたい」と意気込む。

大阪桐蔭でのラストイヤー。

「全員が泥臭くファイト出来る所が好き」というメンバーたちと、白い旋風を巻き起こしに、いざ決勝戦へ。

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