示したかった『自分たちはここにいる』流経大柏、逆転のドロップゴールでBブロック優勝。茗溪学園はフルコンタクトの夏へ|第72回関東高等学校ラグビーフットボール大会

流経大柏

関東新人大会1回戦敗退から、4か月。

8年ぶりとなる全国選抜大会出場を逃した流経大柏は、基礎練習に没頭した。

「あの負けから、ラグビーの根本の部分であるフィットネスとコンタクト、それだけをやってきました」と話すは、No.8野口健キャプテン。

一番苦しくて、一番ボールを持たない練習をひたすらに繰り返した。

高校日本代表候補であり、昨年はU17日本代表のキャプテンも務めたほどの実力とキャプテンシーを併せ持つ野口キャプテン。

だが2月上旬に左腕の靱帯を損傷。関東新人大会には出場叶わず、ウォーターとしてピッチサイドから仲間をサポートしていた。

復帰したのは、ちょうど全国選抜大会の時期。だからこそ、関東大会への思いは人一倍だった。

「長年続いてきた、全国選抜大会への連続出場記録を途絶えさせてしまいました。この関東大会でしか『自分たちはここにいるよ』ということを示せなかった」

Bブロックで必ずトップを獲ろう、と掲げ挑んだ大会だった。

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積み重ねた地道な練習は裏切らなかった。

試合を決めたSO大門選手のドロップゴールは、日頃の練習の賜物。

「練習でも、土壇場で蹴る練習を彼はしてきました。ドロップゴールのサインが出ていたわけではなく、彼の判断です」

そしてドロップゴールに持ち込めるだけのエリア挽回力を、全員が蓄えていた。

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チームとして勝てたこの経験を活かし、チーム全体が更なる成長を続けるために。

野口キャプテンは、流経大柏の主将としての決意を口にする。

「今回試合に出た選手たちだけでなく、部員1人ひとりと向き合いたい。これからも話をしていこうと思います」

キャプテンだから、厳しいことを言わなければならない場面も往々にしてある。

むしろ「その方が多い」と苦笑いを見せるが、「昨年はその役を(チームキャプテンだった須田)大翔さんがやってくれていた。それを目の前で見ていました」と、手本となる存在を口にする。

昨年は、プレーで引っ張るゲームキャプテンと、チーム全体をまとめるチームキャプテンとで役割が分かれていたが「今年はキャプテンが僕1人しかいない」。

だからプレーで、そして態度で、チームの先頭に立つ覚悟だ。


流経大柏のジャージーを着る意味とは「愛と信頼」と断言した野口キャプテン

「シンビンで1人欠けていた時間帯もあったのですが、今日はチーム全体で頑張れた。Bブロックでしたがトップに立てたので、これからは全国レベルの桐蔭学園さん、國學院栃木さんたちに対して自分たちがどれだけやれるのかを考えながら練習していきたいと思います」

更なる覚悟を積み重ねる夏。

流経大柏高校ラグビー部全員で、乗り越える。

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