ワールドラグビーU20トロフィー2024(7月2日~17日、スコットランド・エディンバラ)の開幕まで、あと4日。
U20日本代表候補に最も遅く合流しながらも、本大会へのメンバー登録入りを勝ち取ったのは、明治大学1年のCTB白井瑛人選手だ。
※U20日本代表メンバーはこちら
青天の霹靂だった。
ある日、明治大学でトレーニングをしていた白井選手のもとに、U20日本代表候補・別府合宿(6月7日~11日)への参加打診が届いた。
神鳥裕之・明治大学監督に「どうするか」と問われた白井選手は、しかし二つ返事で「行きます」と返した。
大学に残って、試合に出て、経験値を積むことも大切。だが、U20日本代表の場を経験できること、なにより合宿中に予定されていた日本代表とのアタック・ディフェンス練習ができることに魅力を感じた。
6月上旬、U20日本代表の別府合宿が始まる数日前のことだった。
正式なU20日本代表入りを告げられたのは、6月11日、日本代表との合同トレーニングを終えた直後のこと。
帰りのバスに乗り込むか否か、のタイミングで「スコットランド遠征に行かせようと思っている」と伝えられた。
「正直、びっくりしました。新しいチームに入って、まだ5日。馴染めていなかったですし、難しいこともたくさんありました」
U20日本代表としてのラグビーを完璧に覚えられていたわけではない。
だがそれでも、自身のポジションに怪我人が出たこと、そして自らが持っているポテンシャルを日本代表との合同トレーニングで発揮できたことで、最後の一枠を手繰り寄せた。
急展開のU20日本代表入りに、両親からも「うそでしょ?」と驚きの言葉が返ってきたという。
一つの僅かな可能性に、自ら飛び込んだ勇気が切り拓いたU20日本代表への道。
大久保直弥U20日本代表ヘッドコーチ、そしてエディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチが常々口にする『Desire(自らで何かを強く望むこと)』を、最も体現した選出であっただろう。
日本代表との合同トレーニングでは、タックルを受けても簡単には倒れない強さがあった
U20日本代表のラグビーは、超速ラグビーを超える『コスモ』を軸とする。
チームに合流して、まだ1ヵ月弱。
大枠は捉えられるようになったが、サインプレーや細かいパス一つ、細かな動作一つひとつは、まだまだ習得途中だ。
「もっと詰めていければな、と思います」
よりシャープに、直前まで解像度を高めていく覚悟だ。
「先輩たちはめちゃくちゃ優しいです。色んな事を教えてくれます。自分でも、何が通用して何が通用しないのか、徐々に分かってきました。スコットランドでチャンスがあれば、しっかり活躍したいです」
なにより今大会優勝すれば、来年自身が主軸となる代では、20歳以下の世界最高峰の大会『ワールドラグビー U20チャンピオンシップ』で戦う権利を掴み獲ることができる。
「( U20チャンピオンシップに)昇格して、来年に繋げたい。自分は来年もU20日本代表として出場できる資格があります。来年に繋ぐことも意識しながら、しっかり学んで、試合ではしっかりと活躍します」
18歳、未来を背負った真夏のチャレンジへと向かう。
ワールドラグビーU20トロフィー2024 大会スケジュール
【プールA戦】
- 7月2日(火) 11:45KO(日本時間19:45) vs U20香港代表
- 7月7日(日) 17:15KO(日本時間7月8日 1:15) vs U20サモア代表
- 7月12日(金) 19:45KO(日本時間7月13日 3:45) vs U20スコットランド代表
【順位決定戦】
- 7月17日(水)