未来の自分へ ~世界への扉を開いたU20日本代表たち【FW第1列編】|ワールドラグビーU20トロフィー2024

右プロップ

PR 山口匠

今大会、なかなか出場時間を得られていない山口選手。

「(気持ちは)ダダ下がりです」と、その悔しさを隠さない。

「そういう性格なんで」

そこが山口選手の最大の強みだ。

U20日本代表候補としてFW合宿を行ったのは、2月のこと。

複数のリーグワンチームに出稽古し、武者修行を積んだ。

リーグワンの選手を相手にも強い個を見せ、スクラムを押し込んだ山口選手。飛躍の糸口を掴んだか、と思われた。

だがその後所属する明治大学へと戻ると、思うようなスクラムが組めなくなる。

スランプに陥った。

「あの時の感覚が、まだ戻ってきていません」

大久保直弥ヘッドコーチをはじめ、FWコーチ陣は「3番は誰が出ても変わらない」という。

だが実際は、他の2選手と比べ出場機会は短い。

「なにかが足りなくて出られなかった」

練習時に組むスクラムでも、トイメンを力強く押し込み気持ちを見せた。

今大会、残る最終・U20ウルグアイ代表戦で背番号18を掴んだ。

理想のスクラムに、近づけることはできる。試していないこともある。

「試すことを試して、チームの勝利にもこだわりつつ、自分のためにもやりたいです」

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今大会のテーマ

『成長』そして『経験』

国際大会を経験する価値を見出したい、と挑んだ。

実際には「ちょっとずつ、です。思っていたほどではないですけど」というが、前を向き、足を前に動かしただけで、きっと大正解だ。

未来への誓い

『もう二度とこんな思いをしたくない』

勝負のU20スコットランド代表戦。自分が出られず不甲斐ない思いをした。

『自分が出ていたらこのスクラムは押せていただろう』というものだってあった。

自分が出られていたら、もう少しやれることもあっただろう。

やり切って負けたのだったら、言うことはない。

だから、もう二度とこんな思いはしたくない。

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PR 布引大翔

3番で出場した、U20スコットランド代表戦。

スクラムを安定させられなかった。

アタックもディフェンスも、もっと積極的にいけたのではないか。

試合を終えると、「悔しい」で溢れた。

スコットランドの1番が強い、という事前の分析だった。

その強いプレイヤーを抑えはしたが、相手の3番が上手かった。

「いろんな引き出しを持っていました。1番を抑えても、3番のテクニックを出されてしまった。自分たちが思っていた逆を突かれてしまいました」

プランBに対応できるだけの経験や引き出しがなかったことが、スクラムで手こずった原因だと話した。

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今大会のテーマ

『スクラムで圧倒する』

2月からハードな合宿を重ねてきた。どのチームにも圧倒することを目指した。

それをスコットランド相手に出せなかったことが「残念です」とうつむいた。

未来への誓い

『どこにも負けない』

イチからセットピースを見つめ直したい。

どこにも負けないスクラムを組めるようになりたいし、フィールドでも動ける体力をつけたい。

どこにも、誰にも負けないプレイヤーになる。

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PR 八田優太

U20スコットランド代表の1番は、前半と後半で異なるタイプだった。

後半の1番はずっとプレッシャーを掛けてきており、「(トイメンの)僕が押されることでスクラム全体が押される危険があった」と八田選手は話す。

実際、押されたのは最後の1本だけ。

だがそれまでも何度かスクラムが崩れ、気持ちよく押すことはできなかった。

「際どいスクラムが続きました。レフリーはこっちにペナルティを吹いてくれたのですが、落ち方次第では自分も危なかった。落ちる、ではなく『押し切るスクラム』を組めるようになりたいです」

ジャパン・トレーニング・スコッド、通称JTSのメンバーでもある八田選手。

日本代表のエディー・ジョーンズHCから届いた手紙に、喜んだ。

「呼んで頂けたことが嬉しい。学んで、成長を続けたい」

だからこそこれからは先発で出場し、交替を気にせず80分間出場を続けられる体力とメンタル作りに取り組んでいきたい、と誓った。

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今大会のテーマ

『どのチームにもセットプレーで圧倒する』

U20サモア代表戦では押せたスクラム。

だが、スコットランドを相手には一本も満足に押せなかった。

「悔しいです」

短い言葉で、十分だった。

未来への誓い

『京産の3番を』

U20日本代表活動が終われば、所属する大学へと戻る。

「京都産業大学の3番を着られるように頑張っていきます」

一段ずつ階段を上がる所存だ。

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