長野県上田市菅平高原・アンダーアーマー菅平サニアパークで開幕した、KOBELCO CUP 2024 第20回全国高等学校合同チームラグビーフットボール大会。
大会初日となった8月1日、U18関東ブロックはU18東北ブロック・U18北海道ブロックと予選リーグを戦い、2勝。
見事1位通過を決めた。
なお決勝リーグは3日に行われ、U18東海ブロック・U18九州ブロックと対戦する。
ディフェンディングチャンピオンである、U18関東ブロック。
監督を引き継いだ板谷裕次郎監督（高崎工業高校）は言う。
「昨年この大会に出場した生徒たちの、その後の人生が変わりました」と。
高校卒業後には就職予定だったある選手は、昨年の大会を経て気持ちに変化が起こった。
「ラグビーを続けたい」
優勝トロフィーを手にした直後、監督に気持ちを明かしたそうだ。そしてこの春、埼玉工業大学へと進学し、いまでもラグビーを続けている。
学校生活一つをとっても、生徒たちの行動が変わったという。
たとえば体育の授業では自ら声を出し、クラスメイトを引っ張るように。
誰かが荷物を持っている姿を見つけると、声を掛け代わりに手を差し伸べるのだそう。
「彼らの人生が変わりました。コベルコカップには本当に感謝しています」
板谷監督は感慨深げに、この大会の存在意義を説いた。
一つのミスをどうポジティブに捉えるか
U18の各チームには、コベルコ神戸スティーラーズの選手が1人ずつ派遣され、指導にあたる。
今年は埼玉県・深谷高校出身の中嶋大希選手がU18関東ブロックを担当。
大会1日目を終え、中嶋選手は笑顔で振り返った。
「チームビルディングが上手な監督さんなんだな、と感じました」
U18関東ブロックのベンチは賑やかだ。
ミスをしたときは「良いよ良いよ！ナイスチャレンジ！」
全力でキックチャージに走った選手には「サンキュー！」
誰もネガティブな言葉を一切、発しない。
板谷監督の言葉につられ、ベンチに控える選手たちも次々にポジティブな言葉を口にするその姿は、昨季の優勝チームからレガシーとして引き継がれた。
中嶋選手は言う。
ともすれば、ミスに対してチームメイト同士で言い合いになってしまうことだってある、と。
だが「そんなことが一切なかった。ミスをして怒っている姿を、今日一度も見ていないです。本当に珍しいチームだな、って。監督が一番声を出していましたね」と笑った。
「ラグビーはメンタルスポーツ。気持ちの波がプレーにも表れてしまうのですが、それを抑えているのがあの監督なんだな、って。一つのミスをどうやってポジティブに捉えるか、勉強になっています」
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