単独チームを組めないチームの、人生が変わるコベルコカップ「みんなエース」U18関東ブロック、いざ2連覇へ|KOBELCO CUP 2024

みんながエース

2年連続の出場となったのは、No.8笠原優希選手(渋川工業高校)。

エースとして、ボールを持てば必ず数メール前進。何人ものディフェンダーを引きずりながら、力強いボールキャリーを幾度も見せた。

「僕の目標は、(正月に花園ラグビー場で行われる)東西対抗戦でトライをとること。そのためにディフェンスやボールキャリー、体づくりを頑張っています」

紛れもなく、チーム1のスーパーエースである笠原選手。

だが、自身ではエースと捉えない。

「みんなエースなんで」

15人でプレーするラグビー。誰か1人だけが主役ではない。

だからこそ15人分のパワーを込め、大会最終日もチームの代表としてボールを前へと運ぶ、その覚悟をのぞかせた。

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来た敵をとにかくブッ倒す

個性豊かなチームをまとめるは、LO大塚北翔キャプテン。

「笠原の方がプレーはすごい。だけど、僕には僕だけの引っ張る力がある。プレーで見せ、声を大事にしています」と、自らの役割を話す。

「このチームは明るくて、めっちゃ仲が良い。監督も良い雰囲気を作ってくれています。全員で楽しんで、本気で連覇を狙うチーム。大好きです」

大塚キャプテンの素顔は、伊勢崎高校に通う高校3年生。

昨年までは単独チームとして出場できていたが、1学年上の先輩たちが卒業すると選手数は僅か10名となった。

合同チームとして初めて出場した、今年の新人戦。そこで、単独チームを組めない学校だけで花園を目指す舞台があることを知った。

「初めてコベルコカップを知った時から、優勝したいという気持ちになりました。ついにここまできて、予選を1位突破。連覇に王手をかけられていることは、光栄です。決勝リーグでは相手が誰であろうと、来た敵をとにかくブッ倒したい」

監督に引き上げられるように、行動も言葉も力強くなった大塚キャプテン。

「このチームでは、ミスをしても大丈夫という雰囲気があります。だからこそどんどんチャレンジできる。全員がタックルに体を張って、ディフェンスで相手の攻撃を崩しにいきます」と誓った。

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みんなキラキラした

一方で秋の花園予選が差し迫りつつも、合同チームを組む相手が決まっていない学校もある、と板谷監督は切実な状況を打ち明ける。

菅平に上がった時には「どこ(の学校)と組むんだろうね」とネガティブな会話が話題にのぼることもあったという。

だが、ここ菅平での時間を通して「みんなキラキラした」と喜んだ。

「やっぱりみんな、どこかで単独出場したいという気持ちはあるんです。でもいま、ここでこういう舞台を頂けている。みんなが頑張っているから、自分も頑張ろうと思えること。当たり前のことなのですが、心が満たされます」

ディフェンディングチャンピオンとして迎える、決勝リーグ。

2連覇の懸かる勝負の1日には、昨年選手として出場していた先輩たちや昨季の監督も、応援に駆け付ける予定だ。

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