「頼れる仲間がいる」U17近畿ブロック、2連覇達成。武器は『近畿のプライド』|KOBELCO CUP 2024

長野県上田市菅平高原・アンダーアーマー菅平サニアパークで8月3日、KOBELCO CUP 2024 第20回全国高等学校合同チームラグビーフットボール大会の決勝リーグが行われ、U17近畿ブロックがU17部門で2連覇を達成した。

&rugbyを応援する

決勝リーグでも、キンキは強かった。
第1試合・U17九州ブロック戦。
試合開始早々に連続ペナルティを得ると、前半5分にFL島崎壮汰選手(大阪桐蔭)がトライ。
主導権を握れば、ゴールラインを背負った強固なディフェンスも圧巻。
ゴール前でペナルティを奪い、拳を突き上げた。
これに勝てば優勝が決まる、第2試合・U17関東ブロック戦。
全員が絶え間なく声を出し続けた40分間。
その中心にいたのは、13番・手崎颯志キャプテン(大阪桐蔭)だった。
「声でチームを勇気づけるという気持ちで、最初からキャプテンをやっていました。やり通せた、声でチームを引っ張れたかな、と思います」
達成感に満ちた表情をのぞかせた。
予選リーグ2試合は大差での勝利だったからこそ、接戦を戦う準備をし、挑んだ決勝リーグ。
「ミーティングでは『最初の5分、10分で圧倒できるように』と話していました。最初から近畿のアグレッシブなプレーで(勢いに)のれた」と喜ぶ。
試合中の雰囲気一つ。
「前に一歩でも出る気持ちを表せた」というタックル一つ。
コンバインドチームではあるものの、ディフェンスで勝利を引き寄せることができたことが、近畿の強みだ。
大会全4試合を通して、奪われたトライは僅か2つ。
『近畿のプライドをもった死ぬ気のタックル』がスローガンだと、手崎キャプテンは笑った。
中学ではオール大阪でキャプテンを、東生野中学でもキャプテンを務めた生粋のキャプテン・手崎選手。
だからU17近畿ブロックでもキャプテンを任命されたことに、特段の驚きはなかった。
「僕が引っ張るしかない」
座右の銘は、漢字二文字で『根性』。
それを、プレーで伝えられる選手でもある。
「必ずこの経験が今後に活きる。U17日本代表、高校日本代表を目指していきます」
高校2年の夏。
次につながる、経験を得た。
スポンサーリンク

大会No.1スタンドオフ

安定した試合運び、そして視野の広さが光ったのはSO杉山祐太朗選手(京都工学院)。
「FWが強かったので、安定したボール出しができました。接点・ブレイクダウンで勝てていたことは、スタンドオフとしてやり易かったです」と仲間に感謝する。
決勝リーグでは敵陣でプレーすることを意識。
ハイパントを交えたエリア取りが勝因だった。
熊本ラグビースクール出身の杉山選手。
スクールのコーチが大学時代、京都工学院・大島淳史監督とともにプレーしていた繋がりから、京都工学院への進学を考えるようになった。
「公立高校で強い学校に行きたいなと思っていました」
現在は京都で寮生活。この日は熊本から家族が応援に駆けつけていた。

U17日本代表入りを個人目標に掲げ、挑んだ今大会。

今大会で優勝スタンドオフになることが一番の近道、と意気込んだ大会でもあった。

掴んだ自身初の日本一は、まだまだ序章。
決勝戦で勝ち切る初めての経験を「京都工学院に戻っても生かしていきたい」と誓った。

「落ち着いてゲームメイクができる力をつけていきたい。武器であるキックは安定して飛距離を出せるようになることが課題です」
スポンサーリンク

頼れる仲間がいる

「頼れる仲間がいる。最高です」と満面の笑みを見せたのは、LO泊晴理選手(大阪桐蔭)。

身長190cm、体重97kg。

恵まれた体格を生かしたプレーは、今大会でも健在だった。

一方で周りにもまた、強い選手は並んだ。

コンビを組んだもう一人のロック・城内佳春選手(天理)は、高いスキルと運動量でチームに貢献。

だからこそ泊選手は「足を引っ張らないように、と思って。僕の持ち味であるタックルに行くことを意識しました」と、ライバルがいるからこその向上心をのぞかせる。

いずれは、チームを救えるようなプレイヤーに。

「(現・帝京大学)青木恵斗選手のようなプレイヤーになりたい」とこれからの道を見据えた。


練習時間の短いコンバインドチームにも関わらず「1人になっている選手がいなくてみんな仲が良かった」ことも近畿らしさの一つと語る。「試合で固くならない所が近畿の良い所」

スポンサーリンク