お盆の時期には全国から高校ラグビー部が集う長野県は菅平高原。
8月10日(土)には、國學院久我山高校(東京都)が御所実業高校(奈良県)と対戦し、7-40で御所実業が勝利した。
FWで圧倒した國學院久我山。
勢いを得た時に連続トライを取り切った御所実業。
互角にみえた戦いは、しかし終盤に思わぬ大差がついた。
國學院久我山ボールで前半をキックオフすると、拮抗した展開が続く。
互いに決定機の得られないまま、時間は過ぎた。
最初に見せ場を作ったのは國學院久我山。
ファーストスクラムで大きく押し込み、ペナルティを得る。
会場から、感嘆の声が聞こえた。
対する御所実業は、安定したラインアウトから流れを作る。
ボールキャリアーが前に出れば、サポートに走り込んだスクラムハーフに一度ボールを託す。すぐに放り返してもらえば、そのまま走り切りトライ。
パワフルなトライで御所実業が先制した。
僅か1トライ差で前半を折り返した後半も、國學院久我山はスクラムで優位に立つ。
早速ペナルティを得れば、タッチキックを狙った。
だがタッチには出ずそのままカウンターを仕掛けた御所実業。
右端で大きく陣地を進めると、機を見て左サイドへのキックパスを蹴り上げトライ。
リードを広げた。
続くトライも御所実業。
モールサイドでゲインラインを突破すると、そこから展開してテンポの良いノーラックトライを決めた。
3トライ差をつけられたところで、反撃に出たのは國學院久我山。
この日何本目かのスクラムペナルティから攻撃を仕掛けると、一度は相手にボールを渡してしまうがディフェンスでプレッシャーをかけ楕円球を奪い返す。
最後はFWが押し込んでトライ。
コンバージョンゴールも成功し、7点を返した。
勢いに乗りたい國學院久我山だったが、しかし試合最終盤にとどめを刺したのは御所実業。
キックカウンターから立て続けに3連続トライを奪えば、ノーサイド。
トライ数1本の國學院久我山に対し、6本のトライを決めた御所実業が7-40で勝利した。
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この日ひと際輝いたのは、國學院久我山の左プロップ・土屋裕資選手。
何度も優位に立ったスクラムはもちろんのこと、フィールドでもたくましく、ランコースに優れるプロップ像をみせつけた。
チームに決定力が増せば、間違いなくその核となるだろう。
またこの日は齋藤航キャプテンのコンディションが整わず、代わりにU17関東ブロック代表にも選ばれた2年生の宮下隼選手がスタンドオフの位置に入り、幾度か好判断を見せた。
全国高校ラグビー大会東京都予選は、早稲田実業と戦う山組みに入った國學院久我山。
土屋謙太郎監督はこの日の試合を振り返って「最後の5分で大きく崩れてしまったことが残念。やろうとしていることが出来ている部分と、やってはいけないことの差が大きいことが現在の課題。ゲームが中心の合宿である以上、課題を毎回クリアしていかないと試合経験が無駄になってしまう。もったいない」と終盤に点差が開いたことを課題に挙げた。
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