大東文化が開幕2連勝。ムードメーカーの弾ける笑顔と、大けがから復帰したプロップのリーグ戦デビュー|日本大学×大東文化大学|関東大学ラグビーリーグ戦

Pick Up プレイヤー

メンタルを強化したムードメーカー

最も活躍した選手に贈られる『プレーヤーオブザマッチ』のアナウンスが会場に流れると、仲間は笑顔で手を叩き、歓迎した。
大東文化大学2番・嵯峨嗣侃(さが しゅら)選手。
蓑洞功志キャプテンが「元気な選手、ひたすら声が出ている選手」と評するチーム随一のムードメーカーは、弾ける笑顔で祝いの1枚に収まった。
蓑洞キャプテンは言う。
「あいつが落ちているときは、チーム全体が落ちる。去年からそういうことが多かったんです。でも今年は、メンタル面で強くなって、ゴール前ラインアウトでもノットストレートがなくなりました」

試合後、ロッカールームへと戻る全ての選手と最後までハイタッチを交わし続ける嵯峨選手の姿が印象的だった。

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上を目指し続ける大東文化の両センター

試合後の記者会見でのこと。

大東文化12番ハニテリ・ヴァイレア選手は、流暢な日本語で、丁寧に言葉を選びながら優しい声色で発した。

「試合中に出た課題を、話し合って修正できるように、と今週の練習でずっとやってきました。試合後半には、疲労からみんなの声も少なくなってきましたが、バイスキャプテンとして自分から『まだ終わってないよ』『これから』と声を掛け、そのパッションで最後まで走り続けることができました」
試合終盤、ダメ押しのトライを決めた仲間のもとに一目散に駆け寄ると、大きな笑顔を見せた。

速くて強いヴァイレア選手。

プレイスキッカーも任されており、この日はなんと成功率100%。

角度のあるコンバージョンゴールも、しっかりと沈めた。

そんなヴァイレア選手と開幕から2戦続けてセンターコンビを組んだのは、3年・橋本颯太選手。

熊谷東中学校から熊谷工業高校へと進んだ橋本選手は、地元・熊谷で自身2度目となるリーグ戦先発を果たした。

この日は何度もディフェンスで体を張り、アタックではラインブレイクするなど好プレーを見せた橋本選手。

ヴァイレア選手は「入学した時から力はあった」と振り返る。

これからもチームに欠かせぬプレイヤーで在り続けるために「毎回の練習、毎回の試合で同じようにやり続けること。そしてもっと上を目指し続けること。立ち止まったら、下に行ってしまうので。それはやっちゃいけない。だから、良いことをやり続けることが一番大事」と、1学年先輩としてヴァイレア・バイスキャプテンはアドバイスを送った。

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大けがを乗り越え掴んだリーグ戦初出場

リーグ戦デビューを飾ったのは、大東文化大学のルースヘッドプロップ・橋口博夢選手(2年生)。

高校3年の冬に負った大けがを乗り越え、リーグ戦初出場を掴んだ。

埼玉県は昌平高校出身。

2・3年時に花園出場。第102回全国高等学校ラグビーフットボール大会では、主将としてチームを率いた。

その1回戦でのこと。

熊本工業高校との試合に1番で先発出場すると、試合の途中で負傷退場。

すぐさま病院へと向かった。

チームは勝ち上がったものの、橋口選手はそのまま入院生活を送ることになる。

退院したのは、年が明けた1月中旬。

医師から運動の許可が下りたのは、大学入学後しばらく経ってから。

大学1年の夏にウエイトトレーニングやランニングなど非接触のトレーニングからスタートすると、コンタクト練習ができるようになったのは1年の冬。

スクラム練習を再開したのは、新チームになってからのことだった。

想像以上に大きな、そして長期に渡った、けがとの戦い。

だが、ラグビーを辞めようと思ったことは一度だってなかった。

「花園2回戦・京都成章戦には出場せずに終わってしまって、不完全燃焼でした。いわゆる普通の引退、という形で高校ラグビーを終えられなかった」

だから、ゆっくりと時間をかけて、しっかりと治し万全の体制で、再びグラウンドへと戻った。

遠方での長い入院生活を支えた両親にも「自分の道を、自分のやりたいことを応援してくれています」と感謝の気持ちを忘れない。

この日、リーグ戦デビュー戦で着用したヘッドキャップは高校時代のもの。

「昌平高校出身という誇りを持って」身に着けた。

残り2年半の大学ラグビー生活。

橋口選手は、全力で打ち込む覚悟だ。

「まずは今シーズンのチーム目標を達成して、来年・再来年もチームに貢献し続けたいです」

酒井宏之監督が「とても真面目な選手。大学に入ってセットピースも良くなってきた」と期待を寄せるそのプレーで、悔いなき学生ラグビー生活を全うする。

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監督・キャプテン コメント

日本大学

窪田幸一郎監督

今日は暑い中、ありがとうございました。

試合については、大東文化さんのモールにやられたというのが結果のとおり。そこにいく過程で、自分たちのペナルティから自陣に釘付けになった所からスコアされたという印象です。

四宮勇斗キャプテン

今日の試合は80分通して、窪田さんが言ったとおりFWで(圧力を)受けてしまった。

日大はFWから強みを出していきたいのに、モールで受けてテンポを出せなかったので、そこを反省していきたいと思います。

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大東文化大学

酒井宏之監督

本日はありがとうございました。

先週開幕戦に勝ち、時間がない中で選手が良く頑張って準備をして、試合に挑んでくれました。

日大に対しては、強力な留学生を止めることを意識しました。今日のテーマは『リスタート』。スコアマネジメント・エリアマネジメントをして、何かあったら『リスタート』で切り替えていこう、とみんな声を出し合ってくれました。特に暑い時間帯でみんなよく頑張ってくれたと思います。

また再来週、頑張りたいと思います。

蓑洞功志キャプテン

本日はありがとうございました。

勝因は、少ないチャンスをものにできたこと。敵陣22mに入ってからのモールトライを3本取り切れた。そういう少ないチャンスをものにできたことが勝てた要因です。

また僕たちのスローガンである『パッション』もずっと出し続けました。グラウンドに立っている15人がパッションを出し続けられたから、勝てたと思っています。

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