島根県
この日のテーマは『ドミネート』。
相手を、ゲームを支配すること。観客をも圧倒し勝つこと、それが目標だったと話したのは、4番・山本力優選手。
「外のランナーがゲインを切ってくれて、FWも勝てていたので前半から仕掛けていきました。絶対負けない。最初から引かず、ドミネートしようと言い続けていました」
前半29分には自らでトライも決めた。
夏合宿から好調を維持している山本選手。リーダー職にあるわけではないが、率先してFWを集め、主体性を持てるようになったことでネクストレベルへと駆け上がった
今大会牙をむいている、島根県のゴールラインディフェンス。
練習終わりに行っている、毎日30分のユニット練習が功を奏した。
「モールもスクラムも、しっかり練習してきました。夜も時間があればみんなで集まって、サインの確認をして。そういう準備が繋がったのだと思います」
1回戦を終え「明日は100点満点のゲームをしたい」と話していた祝原久温キャプテンは、一方で冴えない表情を見せた。
「僕自身は2点。チームは70点」
チームとしては、7番・神保友海選手を中心に体を当て、立て続けにトライを取れた前半の貯金分で70点。
ただし自らのパフォーマンスは、徹底マークを受けたことで3人のタックラーに押し返されるシーンが重なりフラストレーションが溜まってしまったことが大きな減点要因だった。
他方、調子の良いバックス陣は好材料だ。
陣地を押し上げてくれるバックスリーに、「互いに持ちつ持たれつで、阿吽の呼吸がある」(出村知也・石見智翠館高校監督)という10番・新井竜之介選手と12番・原田崇良選手のダブルスタンドオフ起用も好連携を見せた。
今大会ディフェンスが光る12番・原田選手は「優勝するためには、細部を詰める必要がある。強いチームは細かなミスでトライを取ってくる。コミュニケーションが分かれ目」と気を抜かない。
トライを取る度に必ず仲間のもとへ歩み寄る原田選手。チームでは副将を務める
出村・石見智翠館高校監督は言った。
「今日は30点。まだまだ、強くなれる」
明日は2部練します、と笑顔で会場を後にした。