「僕たちには日本一のFWがいる」奈良県、準決勝へ。セットプレーで後手を踏んだ神奈川県は「歯車が狂ってしまった」|第78回 国民スポーツ大会「SAGA2024」ラグビーフットボール競技 2回戦

神奈川県

ペナルティがかさんだ。

ラインアウトへのプレッシャーも、大きく受けた。

「これまでの国体で神奈川県が負けた時も、同じような状況でした」

ラインアウトが安定せず、セットプレーで後手を踏んだ60分間を浜倉裕也監督は振り返った。

早めの選手交替はプラン通りだった。

後半開始と同時に、高校日本代表候補の11番・恩田暖選手選手(東海大相模)を下げ、同じく高校日本代表候補の小林祐貴選手(慶應義塾)を投入。

「後ろからどんどん走ろう」との戦術交替だった。

一方でFWの選手交替は、ラインアウトやスクラムでの安定を求め、後半10分までに1列を総交替。

流れを変えようと一手を投じたが、しかし厳しい時間を過ごした。

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苦しい時間を過ごした要因の一つでもあっただろうか。

関東ブロック大会時にキャプテンを務めていた申驥世選手(桐蔭学園)が、本大会ではコンディション整わず不出場。

ブロック大会と本大会でキャプテンが交替することになり、改めて選手たちで話し合って主将を決めた。

キャプテンマークを託されたのは、2番・矢澤翼選手(東海大相模)。

「西野誠一朗(桐蔭学園、LO)も『やりたい』って言ってくれたんですけど、自分も思いが強かったので。『やらせてくれ』と言って、任せてもらいました。なのに上手くまとめきれず、申し訳ないです」

桐蔭学園の選手たち経由で「勝ってきてくれ」との伝言を耳にした。

「スクラムもラインアウトも全部圧倒されて、自分たちが用意してきたことがシンプルにできなかった。自分たちの手にボールが収まらず、歯車が狂ってしまいました」

自分たちで自分たちを狂わせてしまったこと。

ラインアウトの核得率を上げる修正点を、試合中に掴みきれなかったこと。

「コンバインドチームの弱さが出てしまったと思います」

悔しさを何度もかみしめた、矢澤キャプテン。

後半10分にベンチに下がった後も「自分にできることは、声を出すことしかない」と、仲間に大きな声を掛け続けた。

残されるは、ラスト1戦。宮城県との5位・7位決定戦だ。

「やるしかない。圧倒して勝ちたい。自分たちのことにフォーカスする時間を作りたいと思います」

神奈川県としてのプライドを見せる最終戦へと向かう。

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