Pick Up Teikyo
アタックの時間を生み出すことに苦慮した80分
自陣は固くハイボールで。
相手の良いランナー、良いキッカーにクリーンにボールを与えるのではなく、コンテストキックで勝負していこうとゲームプランを練った帝京。
だが、ゲームメイクを託された10番・本橋尭也選手は振り返る。
「キックの精度とディフェンスで相手にストレスを与えたかったのですが、キックも大きく失敗する場面があり、自陣で苦しい戦いになってしまいました」
この日は強めの風が吹いたことも影響し、思ったような軌道を描くことができなかった。
早稲田に与えた3トライ目。
そのきっかけとなったのは、本橋選手のハイボール。少し長めの弾道となったことで、早稲田10番・服部亮太選手がロングキックを蹴り込む隙を与えた。
「あの時は自分自身も迷っていました。結果的にランで勝負しても良かったのかな、というのが反省点です」
正直に口にした。
U20日本代表では12番を経験。10番からどんなパスが欲しかったか、12番に対してどんなパスを放ればいいのか、大きな発見を得た。「いまは帝京で楽しくラグビーができています」
またこの日はスクラムでも劣勢の展開が続く。スクラムからの有効なアタックプランを組み立てることも難しかった。
「早稲田のスクラムが強いとは思っていましたが、あれだけ押されるとは自分の中でも想定外でした。たとえマイボールであっても、キックから再びのディフェンスシチュエーションになってしまいます。アタックの時間が減ったことは大きかったです」
試合後、相馬朋和監督、そして青木恵斗キャプテンから話があった。
「この負けでチームが終わるわけではない。ここで終わるならば敗戦に浸ってもいい。でも、まだ対抗戦2試合に、大学選手権もある。落ちずに、だけど個々人で反省の時間を設けて、2週間後の明治戦に向け戦っていこう」
対抗戦残り2試合、自分たちにはどんなラグビーができるのか。
それこそが冬の大学選手権へと繋がる。
「今日の反省点を、さらに良い状態にもっていきたい」(本橋選手)と乗り越える覚悟を示した。
- 1
- 2