2人の新コーチはOBとOG
今年、筑紫に2名の若きコーチが加わった。
教諭として新卒採用されたのは、筑紫高校ラグビー部OGの三原倫さん。
小学3年生でラグビーを始めると、福岡県で唯一、男子と同じ練習メニューが行える筑紫へと進学した。
「小学6年生の時に、筑紫と東福岡の花園予選決勝を見に行きました。すごく感動して。その時に筑紫の女子部員第1号である南早紀さんがいらっしゃったので『私も筑紫に進学したい!』と思うようになりました」
法政大学へと進学し、その間は「南さんを追いかけて」横河武蔵野アルテミ・スターズでプレーした。
スポーツの楽しさや素晴らしさを1人でも多くの生徒に伝えたい、という思いから保健体育の教員を志すと、福岡県でラグビーを指導できる女性教諭第1号となる。
憧れの南先輩から『初めて』の暖簾を受け継いだ。「前例がないので、自由に楽しく、やらせて頂いています」とほほ笑む。
笑顔の可愛らしい姿ながら、現役時代のポジションはロックとフランカー。主にFWの指導を担当する。
「教員は、生徒にとって身近にいる大人の1人。部活動面、生活面ともに行動で示すことができる教員でありたいです」
また32期生の堺裕介コーチは、滋賀で9年間教諭を務めた後、筑紫へコーチとして戻ってきた経歴を持つ。
筑紫高校から早稲田大学へと進み、主務を経験。1年間コーチとして大学に残った後、滋賀学園のラグビー部立ち上げに携わった。
「いつかは筑紫に戻りたい」との願いが叶って、今年から筑紫の指導陣に加わっている。
それぞれがコーチとして繋ぐ、筑紫の歴史。
「伝統であるタックル、魂を一つひとつ込めたプレーができる選手を育てていきたいと思います。もちろん高校の部活動という側面から、プレーだけでなく人間性でも、社会に出ても通用するような人材を育てられれば」(三原コーチ)
「『応援される人間力』を大切にするのが、筑紫のスタンダード。人の心を動かすことができなければ、嬉しい感情も悲しい感情も生まれません。徹底することを継続できる人間を育てながら、互いに指摘し合える環境を大切にしたいと思います」(堺コーチ)
創部50周年。
いま、新たな50年の幕開けを迎える。
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