【東福岡】「もがいてもがいて、花園の出場権を勝ち獲る」福岡県決勝へ。「俺がいないと東福岡は勝てない、という選手は誰だ」

数十分に渡るミーティングのあとに行われたのは、『ミニッツ』と呼ばれるハードな練習だった。

試合を想定し、強度の高いメニューとインターバルを短い時間で交互にとる。

メニュー内容は毎回変わり、前もって選手たちに何を行うのか伝えられることはない。

試合と同じように、準備できない状況下での対応力が求められる。

この日は『60MINS』。

試合時間どおりの60分間、体を動かし続けた。

まずは2分間のミニブロンコから始まり、ワットバイク・タックル・ジャンプなどを繰り返すサーキットトレーニングへと移行。

その後は2チームに分かれた、アタック・ディフェンス練習(以後、AD練習)を5分間。

ラインアウトにルーズボール、キックカウンターにスクラムと多様なスタートオプションから、休まずボールを動かした。

そしてその後、スプリントを50秒。

マットを使ったタックル練習を経て、再びAD練習。そしてスプリント、と繰り返される。

30分で一度、小休憩。

実際のハーフタイムと同等の休憩時間を確保し、補食のカステラを食べ、再び後半戦へと向かう。

前半戦よりもさらにランメニューと強度の高いAD練習が繰り返され、最後のADでは「ラスト45秒で1点差、ターンオーバーしなければ負け」というディフェンス局面からの実戦練習を行った。

その後、全員でワットバイクを20秒×3セットで漕ぎ抜けば、締めはプレイスキック練習。

「ラスト1プレー、2点差で負けている中での少し角度のあるPG」を、2人の1年生キッカーが蹴り込んだ。

いずれも成功。しかし喜びを表さない周りの14名たちに、藤田監督は「勝って喜ばないのか」と苦言を呈す。

どこまでもリアルを追求する姿勢は、ここにも表れる。

「これは根性練習ではない、意味ある練習にするんだ」と説いた。

「本当に必要だと思ってやる練習と、やらされる練習は違う。ここにいる中から、登録30人のメンバーは決まる。もう甘くない」


ミニッツの合間には、円陣を組み声をあげる選手たちの姿もあった

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ファイナルステージ初日の練習を終えた、古田キャプテンは言った。

「まずは福岡県代表として、花園の切符を掴まなければいけません。キャプテンとして、そして1人の3年生として、どれだけチームを鼓舞できるか。自分のプレーで引っ張っていけたらと思います」

3年生たちは、死にもの狂いでやっている。

だけど、まだまだやれる。

まだまだ甘い所はある。

「もっとできるチームだと思っています」

今季、OBから言われる言葉がある。

「こんな東福岡は見たくない」

ラインアウトモールで引くような東福岡は、見たくない。

「俺たちが一番大事にしているのは、そこやろ。目がギラギラする、それが東福岡」(藤田監督)

東福岡で在り続けるために。

「ものすごく真面目で、ものすごく良いヤツら」と藤田監督が形容する今年の3年生たちは、いま勝負師へと変貌を遂げる。

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