関東大学ラグビー リーグ戦1部の最終節が11月24日、秩父宮ラグビー場で行われ、大東文化大学が法政大学に45-32で勝利した。
大東文化大学は今季、5勝1敗1分けで勝ち点33を獲得し、7年ぶり9回目のリーグ戦1部優勝を果たした。
試合概要
関東大学リーグ戦1部 第10節
【対戦カード】
大東文化大学×法政大学
【日時】
2024年11月24日(日)11:30キックオフ
【場所】
秩父宮ラグビー場
試合結果
大東文化大学 45 – 32 法政大学
トライを取った後、すぐに自陣にもどれば肩を組み、目をつぶって呼吸を揃えたのは大東文化フィフティーン。
バイスキャプテンの3番リサラ・フィナウ選手、12番ハニテリ・ヴァイレア選手が始めた、新しい習慣だ。
「トライを取った後に、一度落ち着くため。そしてもう一回、ゼロから始めようという謙虚な姿勢を取り戻すために始めました」と話すはフィナウ選手。
たとえ焦っている選手がいても、助け合いたい。息を整えてから話し合うことに努めた。
「今年は1年生でも試合に出ている子がたくさんいるので、経験の少なさから焦ることもあると思うのですが、手を広げて側に寄せて『こっちにおいで、助けるから』と伝えることが大切だと思っています」
あたたかな愛情を、チームに注いだ。
得意なディフェンス、そして自信のあるフィットネスを生かして空いてるスペースに積極的に走り込み、献身的なプレーを繰り返したのは13番・橋本颯太選手。
今季、全ての試合で13番をつけ、80分間グラウンドに立ち続けた。
地元・熊谷ラグビー場での試合後には実家へと戻り、父・大介氏(埼玉県立熊谷工業高校ラグビー部監督)と試合を見返したこともあったという。
ボールキャリー時の当たり方など、細かなスキルについてアドバイスを受ければ、日頃の練習にも取り入れる。
シーズン中の進化を繰り返す中で、気付けば人生初となる大舞台での優勝を、チームの中心選手として迎えるまでになった。
「すごく嬉しく思います」
シャイな性格。多くは語らないが、大学3年目。ついに頭角を現した。
写真左から2人目が橋本選手
最後だから、やり切ろう。死ぬ気でがんばろう
大学1年生で大学選手権初出場。
2年時には入替戦にまわり、昨年はシーズンをリーグ戦4位で終えた。
そうして迎えた、最終学年。
「リーグ戦優勝、大学選手権ベスト4」を掲げ、強い気持ちでラストイヤーに挑んだと話すは、3番リサラ・フィナウ選手だ。
「これまではどのシーズンも、リーグ戦の終盤に怪我をしてしまって試合に出られなくなりました。だから今年こそは怪我無く頑張ろうというのが自分の目標。力を発揮しながら、怪我をしないことに気を付けました」
写真右がフィナウ選手。左はもう一人の副将、ヴァイレア選手
監督・主将コメント
酒井宏之監督
リーグ戦最終戦、とにかく勝てば優勝というゲーム。負けたら大学選手権を逃すかもしれないという振り幅の大きい試合で、選手たちはプレッシャーもあったと思います。
ここ数試合良いゲームができていなかったのは、メンタル的なところが大きかった。キャプテンを中心に4年生が初心に帰って、この2週間準備してきたことで今日最後、勝ち切れたのではと思います。
今日はOBや大学関係者含め、いろんな人が期待して秩父宮ラグビー場に駆け付けてくれました。期待に応えられて嬉しく思います。
蓑洞功志キャプテン
この2週間は練習中のミスにも厳しくなり、私生活を見直しました。
だからこそ今日、勝ち切ることもできた。
(優勝できて)嬉しいです。みんなもだいぶ高ぶっていて、帰ったら大学選手権に向けてさらにミスに厳しくやってきたいと思います。
リーグ戦の代表として、チャレンジ精神を忘れず、食らう気持ちでいきます。
キャプテンを欠いた法政、シーズンエンドに涙
対する法政・新宮孝行監督は「2日前にキャプテンが負傷し、全治1ヵ月。ゲームをコントロールするキャプテンがいないのは、細かい所で大きくゲームメイクができなかった」と悔やむ。
この日ゲームキャプテンを任された11番・小林雅治バイスキャプテンも「金侑悟を選手権に連れて行けなくて悔しい」と一言。
松葉杖をついたSO金キャプテンは、ベンチサイドから試合を見守った。
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