スタンドから響いた両校の応援合戦。大学選手権出場残り1枠は、東海大が手に|関東大学ラグビー リーグ戦1部

関東大学ラグビー リーグ戦1部の最終節が11月24日、秩父宮ラグビー場で行われ、東海大学が流通経済大学に24-21で勝利した。

東海大学は今季、4勝2敗1分けで勝ち点29を獲得し、リーグ戦1部3位で大学選手権出場を決めた。

試合概要

関東大学リーグ戦1部 第10節

【対戦カード】
東海大学×流通経済大学

【日時】
2024年11月24日(日)14:00キックオフ

【場所】
秩父宮ラグビー場

試合結果

東海:青ジャージー、流通経済:赤ジャージー

東海大学 24 – 21 流通経済大学

両校のノンメンバーがスタンドから送る声援が、ひと際ボリュームを増した後半26分。

東海がモールで仕留めた。

21-14と、再びのリードを奪う。

しかしその後、少なくとも2度敵陣でペナルティを獲得した東海は、いずれもペナルティゴールを選択せず。ラインアウトからのアタックを選択した。

12番・近藤翔耶キャプテンは言う。

「30分後半台の時に、ロスタイムは8分と聞いていた。3点を取りにいくよりも、セットプレーに優位性があると思ったので、1本トライをとって帰った方が精神的ダメージを与えられると思った」

しかし、トライには結びつかず。

逆に後半41分、流通経済に同点のトライとコンバージョンゴールを許した。

最終的には後半46分、22番・中村大介選手がPGを沈め3点差での勝利を手にしたが、もし同点のまま試合が終わっていたらリーグ戦4位。大学選手権出場を手放すことになっていた。

試合終了間際には、長い時間自陣深くでのプレーを選択した東海フィフティーン。

「ちょっと長すぎたかな。結果オーライにしないで、後で話します。ここから先は、そういう一つの判断ミスが結果に直結する」と、木村季由監督は気を引き締めた。

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マクロとミクロ。2人の共同キャプテンがもたらすもの

今季、東海大学では共同キャプテン制を採用した。

FL汐月佑心選手と、CTB近藤翔耶選手。

シーズンがスタートしたばかりの2月中旬。当時、木村監督は「異なる個性の2人が、それぞれの力でチームを引き上げていく姿が見てみたい」と口にしていた。


トライ後、スタンドに立つノンメンバーに向け拳を掲げる近藤キャプテン

ゲームキャプテンを主に務めるはCTB近藤キャプテン。

FL汐月キャプテンは対照的に、真っ直ぐひたすら、頭から突っ込んでいく愚直な姿勢を貫く。

「近藤は視野が広くて、ゲーム理解度が高い。僕はそこを任せています。だから僕は、とにかく真っ直ぐ。チームとしてやろうとしていることを、最前線で体現することを意識しています」(汐月キャプテン)

例えるならば、マクロとミクロ。

大局観を持つ近藤キャプテンがゲームとチームをコントロールし、突き詰めるべき東海らしさは、汐月キャプテンが手本となる。

そんな4年生たちの姿を見た下級生も2人の良い所を吸収すれば、チームはボトムアップをし続けた。

この日、先発の左ウイングを務めたのは2年生の永瀬由太郎選手。

ベスト15に選ばれた4年生の岡村優太選手ではなく、これがリーグ戦デビューとなる下級生を、大一番で起用した。

「永瀬は、ジュニア戦での動きが良かった。見ている僕らも、これはすごいぞと思っていました。今日もアグレッシブなディフェンスをしてくれて、チームが勢いづいたシーンがありました」(汐月キャプテン)

この日のプレーヤーオブザマッチに輝いた、4年生・中川湧眞選手は言った。

「もう東海は負けないんで!」

汐月キャプテンも「負けません」と繰り返せば、2週間後に行われる大学選手権3回戦・対抗戦3位との戦いへと向かった。

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監督・主将コメント

木村季由監督

リーグ戦最終戦、お互いの気持ちが入る中でのゲームだった。

流通経済大学さんのアグレッシブなプレーに、なかなか主導権を握れず最後の最後まで、どっちに転ぶか分からないようなゲームでした。

それでも諦めずに、粘り強くディフェンスして、最終的には3点差で勝てた。

まだまだ課題はあるが、前向きに捉えてしっかり大学選手権に向けて、良いチームにしていきたいと思います。

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近藤翔耶キャプテン

前半からディフェンスで組み立てていこうとしていたのですが、後半は自分たちのペナルティー主導権を握れない時間帯もあった。

ゲームを自分たちが先行できなかった部分です。

最後、3点差で勝つことはできましたが、まだまだ詰めの甘さだったりディフェンスのハードワークさだったりと足りない所があるので、大学選手権に向けてブラッシュアップしていきたいと思います。

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流通経済 監督・主将コメント

池英基監督

大学選手権がかかった大事な一戦。

リーグ戦6連覇中のチームに対して、東海大だけをみてこの1週間準備してきました。

前半はプレッシャーを受けましたが、後半はしっかりとプレーできたと思います。

これでシーズンは終わったが、しっかりと次のシーズンに生かしたいなと思っています。

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シンクル蓮キャプテン

自分たちが東海大戦にむけてやってきたこと、自分たちがやるべきことはやりきれた。その結果の数字です。

悔いなく、胸を張って、しっかりできた試合だと思います。

ミスは続いたが、その分やりたいプレーで流経の形を、ダイナミックラグビーをみなさんにお見せできたと思うので、またこれからも応援をよろしくお願いします。

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