試合概要
第104回全国高等学校ラグビーフットボール大会 2回戦
【対戦カード】
桐蔭学園高等学校 48-7 流通経済大学付属柏高等学校
【日時】
2024年12月30日(月)9:30キックオフ
【場所】
花園ラグビー場 第1グラウンド
試合結果
日頃から合同練習を行い、手の内を知り合ったチーム同士の対戦。
前半は一進一退の攻防が続いた。
リズムよく敵陣に入り込んだのは流経大柏。
ロングキックからラインアウトを狙い、FWで勝負に出た。
だが、かたい桐蔭学園の守備に阻まれる。
前半5分、キックカウンターから桐蔭学園14番・草薙拓海選手に先制トライを許した。
流経大柏のチャンスは11分。
敵陣深くでフェーズを重ねると、アドバンテージを得る。すかさず裏へのキックパスを蹴り上げたのは10番・大門歩瑠選手。
13番・寳起慎之助選手がインゴールで押さえ、トライ。
5-7とリードを奪った。
その後も攻め込んだ流経大柏だったが、攻守切り替えの場面で上回ったのは桐蔭学園。
前半14分、前半終了間際の29分と2連続トライを決めた桐蔭学園が19-7とリードし、前半を折り返した。
後半は桐蔭学園のプレッシャーも増し、また流経大柏の戦術に対応した桐蔭学園が4つのトライを重ねる。
流経大柏はたまらずペナルティが増え、なかなか陣地を押し上げられない。8番・野口健キャプテンは「全員やりきれ!」と最後まで声をあげ続けたが、実らなかった。
最終スコア48-7。
桐蔭学園が流経大柏を下し、3回戦へと進出した。
桐蔭のこころと、流経のこころ
ノーサイドの笛が鳴り、両チームが挨拶を始めると、流経大柏の部員席スタンドから響いたのは応援歌『流経のこころ』だった。
しかし通常の歌詞ではない。
『流経』部分を『桐蔭』に置き換え、『桐蔭のこころ』として声を張り上げる。
流経大柏のノンメンバーたちが、勝ち上がった桐蔭学園に向け大きな声でエールを送ったのだ。
兼ねてより合同練習を重ねる両校。
敗れて悔しい。だが、応援している気持ちは全身で伝えたい。
桐蔭学園・申驥世キャプテンは言う。
「(流経大柏が歌う『桐蔭のこころ』は)本当に聞こえていました。ずっとアタック・ディフェンス練習も一緒にやってきた仲。最後、悔しい中でもそうやってくれて嬉しかったです」
大きな感謝の気持ちを口にした。
すると、桐蔭学園のノンメンバー席もすぐさま『流経のこころ』でエール返し。
流経大柏・ 野口健キャプテンは言った。
「桐蔭さんとは、毎月のように一緒に練習してきて、一緒に高め合ってきた仲間。桐蔭さんにはしっかりと全国優勝してもらいたいな、とすごく思います」
高校ラグビーの真髄が、花園ラグビー場第1グラウンドに溢れた。