オーストラリア遠征中のU23日本代表は4月5日(土)、オーストラリアンバーバリアンズと対戦し、43-31で勝利を収めた。
試合内容
この試合は、地元自治体(ニューサウスウェールズ州、コフスコースト)が主催するラグビーフェスティバルのメインイベントとして企画されたもの。
U23日本代表の対戦相手となったオーストラリアンバーバリアンズは「スーパーラグビーの候補選手、7人制代表のスター、海外チームでプレーするオーストラリア人選手、地元のトップ選手」で混成されたチームだったという。(以上、日本ラグビーフットボール協会のレポートより抜粋)
オーストラリアボールで前半をキックオフすると、フィジカルを武器に勝負を挑んだオーストラリア。
対する日本代表は接点で負けずに、個のディフェンスで奮闘した。
前半14分:5-0
ファーストトライは前半14分。
オーストラリアのペナルティキックがノータッチになると、自陣でボールを繋いだ。
10番・伊藤龍之介選手(明治大学3年)が走り込んだ所から7番・中森真翔選手(筑波大学2年)、14番・田中健想選手(早稲田大学2年)と繋ぎ右サイドを駆け上がる。
中央でNo.8宮下晃毅選手(法政大学4年)が当たりラックを作ると、左端へと順にボールを送り、最後に受け取った11番・白井瑛人選手(明治大学2年)がトライ。
12番・平翔太選手(明治大学4年)のコンバージョンゴールは外れたが、5点を先制した。
前半17分:12-0
2トライ目は左サイドでのスクラムから。
オープンサイドに10番・伊藤選手、13番・福島秀法選手(早稲田大学4年)と小刻みにボールを繋ぐと、次の受け取り手は11番・白井選手。
「本来は(13番の福島)秀法さんから(12番・平)翔太さんに繋ぐサインプレーだったのですが、イレギュラーが起きて僕の方に来てしまった。相手のウイングが上がってきていて、後ろがいなかったので蹴った」とハーフウェー付近でボールを蹴り上げた。
追いついたのは敵陣22m近辺。ボールを拾うことなく、再び力強く蹴り込んだ。
「デッドボールラインを割ったと思った」というとおりの強い軌道だったが、芝の長さも影響し、インゴールでボールは止まる。
最後まで諦めずに走り込んでいた、白井選手。ボールを押さえた。
9番・髙木城治選手(京都産業大学3年)のコンバージョンゴールも成功し、12-0。
前半20分:19-0
かたい守備を見せる日本代表。
自陣のディフェンスで次々にプレッシャーをかけると、5番・物部耀大朗選手(明治大学3年)、12番・平選手のタックルでボールを前に落とさせる。
ルーズボールを拾ったのはやはり11番・白井選手。
そのまま走り抜き、3トライ目。早くもハットトリックを決めた。
12番・平選手のコンバージョンゴールも成功し、19-0。
前半26分:19-7
なかなかゲインラインを割らせぬディフェンスを見せていた日本代表だったが、前半26分、左エッヂで次々にラインブレイクを許し初の被トライ。
コンバージョンゴールも決まり19-7。
前半32分:24-7
起点は敵陣でのオーストラリアボールラインアウト。
投げ入れたボールがオーバーすると、SO伊藤選手がカバーに走り込みボールをキープ。
8番、12番、13番、11番とオープンサイドにボールを放り、最後は15番・竹之下仁吾選手(明治大学3年)が右隅にトライ。
平選手のコンバージョンゴールは外れ、24-7。
前半終了間際:31-7
ペナルティを奪えば積極的にタップキックからリスタートを切り続けた日本代表。
前半終盤に訪れたチャンスは、相手がクロスに蹴り込んだキックを獲得したところから見せたカウンター攻撃だった。
右サイドでボールをキャッチしたのは14番・田中選手。7番・中森選手、12番・平選手と右サイドで素早く繋ぎ、平選手がおよそ30mの独走トライ。
自身でコンバージョンゴールも沈めれば、31-7で前半を折り返した。
後半2分:38-7
後半も幸先の良いスタートを切った日本代表。
11番・白井選手が短く蹴り上げたボールを、自身でキャッチ。6番・森山海宇オスティン選手(東洋大学4年)にオフロードパスを放り、敵陣へ。
その後一度は相手ボールになるものの、キックチャージしたところ乱れたボールをインゴールで押さえたのは11番・白井選手。
平選手のコンバージョンゴールも成功し、38-7。
後半8分:43-7
ラインアウトからのオプションも多彩だった日本代表。
7トライ目は、ラインアウトからバックスが素早いパスで相手ディフェンダーを振り切ったトライだった。
10番・伊藤選手から13番・福島選手、ループで受け取った10番は今度は右大外の14番・田中選手に飛ばしパスを放り、トライ。
平選手のコンバージョンゴールは外れ、43-7。
この日最大となる36点差がついた。
後半23分からの4連続失点
少しずつ選手交替が行われると、アタックでのペナルティやミスがかさなり陣地を下げられた日本代表。
ゴール前ディフェンスでペナルティが起これば、フィジカルで優位に立つオーストラリアが牙を剥いた。
後半23分。トライライン目前で意表を突いたキックパスを蹴り上げたのはオーストラリア。反応したプレイヤーにそのままグラウンディングされ、43-12。
27分にもルーズボールを蹴り込まれた所からトライを奪われ、43-19。
その3分後には相手スクラムハーフに隙を突かれロングランを許す。43-24。
そして最後はゴール前でラックサイドを走られ、43-31。
試合終了間際にもオーストラリアのスクラムハーフは、ラックサイドで内返しのバックフリップパスを放る。受け取ったプレイヤーが真上を越えていくと、ビッグゲイン。
あわやトライまで持っていかれるか、というピンチだったが、自陣5mで食い止めたのは両ウイングに13番・福島選手。
球出しをスローダウンさせた後、機を待ってインターセプトしたのはこの日プレイヤー・オブ・ザ・マッチ級の活躍をみせた11番・白井選手。
そのまま敵陣まで走り、試合を締めた。
最終スコアは43-31。
率いるエディー・ジョーンズ ヘッドコーチは「日本代表の歴史上、高校生レベル以上のシニアレベルで、オーストラリアの地で初めて勝利する歴史的な快挙を遂げることができた」と喜んだ。
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