高校・U20日本代表のセレクション、合宿にも参加へ。『失っている芸術』を取り戻す。エディー・ジョーンズ新HC、日本代表強化プランを発表

ラグビー日本代表のエディー・ジョーンズ新ヘッドコーチは1月15日、東京都内で会見を行い、日本代表の強化プランを発表した。

コンセプトは先日の就任会見でも発表したとおり『超速ラグビー』。

そしてその超速ラグビーを作り上げるため、ユース世代との一貫性をもった強化・セレクションを行うと表明した。

「先週、高校日本代表の髙橋智也監督、U20日本代表の大久保直弥ヘッドコーチとのミーティングを設けました。一緒に選手をリストアップし、どの選手に投資していくかと話をした所です。できるだけ明確な哲学、明確な概念を日本代表として統一させたいと思っています。そのためにU20、そして高校日本代表の合宿にも参加予定です。」

試みたいのは、日本代表と名の付くチームをリンクさせていくこと。

高校日本代表に始まり、U20日本代表。どの世代の日本代表であっても、日本代表でやりたいラグビーの意識を統一し、同じラグビーをしたい。

ただし、日本代表としてのテストマッチは非常に重要である。世界トップ8チームのテストマッチ勝率は60%、トップ4に関しては75%。一番強くてベストな選手を選ばなければ、日本代表の世界ランクを上げることはできない。

だからジャパンフィフティーン(テストマッチ対象外のゲーム)について、若手選手起用の場とする意向を示した。

今夏予定されているマオリ・オールブラックスとのゲームにおいても「(かつて山沢拓也を起用したように)若い選手をひとり入れようかな」と笑顔を見せる。

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日本代表ヘッドコーチに就任し2週間。この間、各カテゴリーのラグビーを観るべく精力的に赴いている。

年末年始には花園ラグビー場で行われた全国高校ラグビー大会を、国立競技場では大学選手権を視察。もちろんリーグワンの各会場にも顔をのぞかせる。

そこで確認しているのは「コーチングでは教えられないことをやっている選手はだれか」ということ。

ゲームセンスがある選手。成長したい、もっと良くなりたいという意識が現れている選手。そのために挑戦したい、と思っている選手。

「どの国の選手にも通ずることですが、ある程度のレベルまで行けば、そこで満足してしまうものです。それは自然なこと。ですがそうではなく、いつも前のめりになっているような選手を見つけたい。椅子に深く腰掛け息をつくような選手ではなく、椅子の先端に座っているような。」

そんな向上心溢れる選手を見つけ、育てる意志を示した。

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一方で、高校カテゴリーから一貫しての課題は「下を向く選手が多すぎる点」と指摘。

人間に備わった、白目を活用したコミュニケーションを取れる選手を求める。

また日本代表の核となるアイデンティティ『超速ラグビー』を体現すべく求めたのは、スピードでコンタクトに勝つこと。アップダウンの動き、高い姿勢から低い姿勢への素早い動きの重要性を説いた。

「ここが、リーグワンから高校まで足りない所。『失っている芸術』です。」

日本代表として、世界中のどのチームよりも一番長けているものを作り上げなければならない。

日本代表といえばこれぞ、というものを手に入れるため、注目したのが『スピード』だった。

「速く動けばもちろん痛みが伴います。だからこそ、選手たちのマインドセットを変えて、痛みを好きになるようにならないと。もっと痛みを楽しめるような集団に」と次の日本代表の在り方を話した。

「かつて私が選手だったころは、オフの日にもラグビーの話をするような、早くラグビーがしたいとうずうずするような日々を過ごしていました。ですが時代が変わり、プロフェッショナルラグビーになったからこそ、自由な時間にはラグビーの話をしたい、と思わなくなってきています。もう一度、選手たちにラグビーを愛してもらうべく働きかける必要があるのです。」

ラグビーへの愛を追求する、ワクワクするようなチームを作っていきたいと語った。

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なお今後の日本代表活動としては、近々でトレーニングスコッドを集めたミニキャンプの実施を検討・調整中。

本格稼働は6月初旬を予定している。

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