7月25日(金)に閉幕した、第12回全国高等学校7人制ラグビーフットボール大会。
前回大会王者の桐蔭学園高等学校は、カップトーナメント準決勝で國學院大學栃木高等学校に0-19で敗れた。
大会を3位で終えた桐蔭学園。
振り返れば、手探りの日々だった。
「福本さん(福本剛セブンズチーム監督)にセブンズを一から教えて頂いて、小西さん(小西泰聖スポットコーチ、現・浦安D-Rocks)にもおいそがしい中ご指導頂き、菅平へとやってきました」
そう話したのは、鈴木豪選手。
前回大会の優勝を知る数少ない選手のうちの1人であり、今大会ではキャプテンを務めた。
ターニングポイントは、早々に訪れた。
大会1日目、プール戦初戦で尾道高校と対戦すると、早速気が付く。
「自分たちがやってきたことは間違いじゃなかった」
11大会連続出場を誇る尾道を相手にも、17-5で勝ち切ることができた。その結果が、選手たちの自信となった。
続く中部大春日丘戦でも、シーソーゲームの末に28-22で勝利。高校日本代表候補を多数擁する中部大春日丘だったが、接戦をものにする勝負強さが桐蔭学園にはあった。
小西泰聖スポットコーチは一方で、組み合わせのあやがあったことを明かす。「僕たちは尾道との試合を経験してから中部大春日丘と対戦できた。でも相手にとっては初戦」と「ラッキーな勝利だった。逆の結果になってもおかしくなかった」と言った。
大会2日目以降は『培ってきたことをいかに精度高く遂行するか』に注力した。
教えてもらったことの精度を高める時間を過ごしているうちに、自然と桐蔭学園は一つのチームになった。
試合外でもハイタッチをして『目に見えてコネクトする方法』を、小西コーチから学んだことも大きい。
突出した個ではなく、チームで戦うこと。その結束の仕方を学ぶこと。
夏の初めに、大きな収穫を手にした。
春。桐蔭学園は、全国優勝からシーズンをスタートさせた。
だが決して、王道ルートを歩んでいるわけではない。
関東大会で敗れた國學院栃木を相手に、セブンズでも敗北。けが人も多く、これから進む先にも茨の道が待ち受けていることだろう。
「3年生はこの先、夏合宿と神奈川県予選、花園の3つのイベントしかありません。それぞれの3年生が、今日やり切れなかったことを出し切れるか。やっていることは間違いではないので、それを試合の中でやり切ること。それが大事なのだと感じました」(鈴木セブンズチームキャプテン)
なぜならば、桐蔭学園だから。
桐蔭学園の代表としてグラウンドに立つ以上、譲れないプライドがある。
