8月1日に長野県上田市菅平高原・アンダーアーマー菅平サニアパークで開幕した、KOBELCO CUP 2025第21回全国高等学校合同チームラグビーフットボール大会。
2年ぶりの王座奪還を目指すU18関東ブロックは、大会1日目に予選リーグAブロックを戦うと、東北ブロックを相手に35-7、北海道ブロックを相手に29-7で勝利し、見事2連勝。
大会最終日の決勝リーグ・カップ戦へと駒を進めた。
U18の部は、単独では1チームを編成できない高校に通う選手たちが集い、ブロック単位で日本一を争う“合同チームの合同チーム”による、日本一を懸けた戦い。
今年のU18関東ブロックで主将を務めるは、FL日野耕輔選手(東京都立三鷹中等教育高等学校3年)。高校生活初の菅平を経験し「ラグビーに対する熱気がすごい地域。みんながラグビーのために集まっていて、開会式でもその熱さを感じました」と嬉しそうに言った。
そんな日野キャプテンが通う三鷹中等教育高校の部員数は、マネージャーを含めてもわずか5人。中学時代からずっと、スクールでも中学校でも“合同チーム”での活動が続いている。
単独チームで戦った経験は、一度もない。
「でも、それはそれで面白いです」
少し照れくさそうに、そして誇らしげに笑った。
「価値観の違うメンバーと協力し合って一つの目標に向かって進んで行くことが、まさにラグビーというスポーツの良さだと感じます。それこそが、そのラグビーの良さが、合同チームだから出せると思っています」
FL日野耕輔キャプテン
その真価が発揮されたのが、初日の2連勝だった。
「やることをしっかり決めて、監督・コーチ陣の教えを遂行できたことが大きかった。まだまだ課題はありますが、自信になりました」
中でも強いインパクトを残したのが、13番・前田貴平選手(玉川学園中学部・高等部3年)。身長182㎝、体重90㎏の恵まれた体格を生かし強いプレーを連発。ピンチやチャンス時の嗅覚に優れ、トライを取り切る”仕留め役”も担った。
また22番・菅晴彦選手(東京都立三鷹中等教育高等学校3年)は何度もラインブレイクを重ね、前進の起点に。
大舞台で力を発揮できる選手がいる。それをチームとしても確認できた1日だった。
13番・前田貴平選手
関東ブロックは、『圧倒』をスローガンに掲げる。それはアタックでもディフェンスでも、フィジカルでもマインドでも。あらゆる面で相手を“圧倒”するという強い意志を表す。
「優勝を目指します。圧倒して、優勝します」
日野キャプテンは、迷いなく言った。
合同チームの誇りと、仲間とともに戦う喜びを胸に。
迎える大会最終日、目指すは2年ぶりの日本一、ただひとつ。
22番・菅晴彦選手