8月1日に長野県上田市菅平高原・アンダーアーマー菅平サニアパークで開幕した、『KOBELCO CUP 2025 第15回全国高等学校女子合同チームラグビーフットボール大会』。
2017年以来の優勝を目指す関東ブロックは、大会1日目の予選リーグで見事2連勝。大会最終日の決勝リーグ・カップ戦へと駒を進めた。
「世界一は獲った。あとは日本一を獲るだけ」
6月上旬に行われた、関東高等学校ラグビーフットボール大会でのこと。公開競技として行われた女子15人制の試合後、伊藤ちひろ選手(関東学院六浦3年)は、コベルコカップにかける想いを口にした。
「1年生のときから毎年(コベルコカップに)出ていますが、いつも関東ブロックは2位。今年は関東学院六浦で(サニックスワールドユースの)世界一も経験できました。だからこそ、次はコベルコで1位を獲りたいです」
その、日本一を目指す大会がいよいよ始まった。
大会初日、関東ブロックは北海道ブロック・東北ブロックと対戦し、38-0と44-0。ともに完封勝利を収めた。
「例年に比べて完成度が高く、良いラグビーが1日目からできたな、と感じています」
FWがセットプレーで優位に立ち、個のタックルとチームディフェンスが融合した力強さで、土台を作った。
また今大会関東ブロックの主将を務める伊藤選手はチームとしての充実感とあわせて、自らの充実ぶりにも言及する。
「今、自分が一番乗ってきているし、一番15人制を理解してきているなと思います」
今の自分が一番良い。そう感じられる才能も有する。
ハーフタイムには、主将としてレフリーとコミュニケーションをとった伊藤選手。ポジションは兄・耕太郎(リコーブラックラムズ東京)、龍之介(明治大学3年)と同じくスタンドオフ
しかしもちろん、全国には猛者揃う。
チャンピオンの座を争うのは、3大会連続優勝中の九州ブロックと、四日市メリノール学院を中心に編成する東海ブロック。ともに屈指の強豪だ。
中日を練習に充て、8月3日の大会最終日・決勝リーグへと挑む選手たち。
「ここから何か特別なことはできないと思うので、しっかりコミュニケーションを取って、振り返りをして、もっともっと自分たちのラグビーに近づけられる中日にしたいなと思います」
例年に比べ、フォワードのサイズが大きいこと。外に速い選手が揃うこと。自分たちの強みを理解し、強みを生かすラグビーをしたいと意気込む。
「形にこだわらないで、しっかり前に前に出られるアタックをしようと話をしています。九州も東海も強い。しっかり勝ち切りたいです」
決意を口にした。
高校3年生。3年目の、コベルコカップ。
1年目は2位、2年目も2位。
迎えた、ラストイヤーの3年目。輝くメダルの色は、果たして。
「まじほんとに、ぜったい(日本一)獲りたい!!」と、大きく笑った伊藤キャプテン。
「ずっと2位なので。『絶対1位獲ろう』って監督とも話していますし、3年間コベルコカップのメンバーに入り続けてきた仲間とも話しています。勝ち切れる代だと思っています」
笑っちゃうぐらい勝ちたい。
笑っちゃうほど日本一になりたい。
「本当に勝ちたい!!」
最後にもう一度、日本一への強い想いを口にし、決勝リーグへと向かった。
