14-19。後半終盤に大阪桐蔭が逆転し、東福岡から勝利|菅平合宿2025

全国から高校ラグビー部が集う、夏の菅平高原。

8月13日(水)午後には、東福岡高校(福岡県)が大阪桐蔭高校(大阪府)と対戦。東福岡が2トライ、大阪桐蔭が3トライを決め、大阪桐蔭が勝利を収めた。

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ファーストトライは大阪桐蔭。
敵陣で蹴り上げられたキックパスをそのままトライゾーンに持ち込み、7点をスコアした。
対する東福岡は、ラインアウトモールからトライを狙う。
トライラインまで到達し長い笛が吹かれるかと思ったが、しかしグラウンディングが確認されずヘルドアップの判定に。
すると大阪桐蔭は、またしてもワンチャンスをものにする。
敵陣深くでペナルティを得ると、すぐさまタップキックからリスタート。そのまま押し込み、0-12と引き離した。
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東福岡の反撃は、前半終盤のことだった。
敵陣22m近くでのラインアウトから今度はモールを組まずに、展開。ポール正面で縦に切り込んだのは、6番・中務創太選手(2年生)。
コンバージョンゴールを15番・佐藤琉生選手(1年生)が沈め、7-12。
続くトライもラインアウトから。
10番・川添丈選手選手(2年生)がボールを前進させると、その脇に飛び込んだ6番・中務選手が再びトライ。
コンバージョンゴールも成功し、12-14。
東福岡が逆転し、前半を折り返した。
後半は両者譲らぬディフェンス力を見せる。
まずは大阪桐蔭が自陣で耐えれば、こんどは長い時間を東福岡陣トライライン前へと移行。
逆転に向け各自が声を出し、盛り上げ気持ちを高めた大阪桐蔭。自らに火をつけ、攻撃へと向かった。
一方東福岡の選手たちからは、そんな防御局面においても「アタックマインド」の声が飛んだ。タッチラインの外で見守っていた藤田雄一郎監督からも「楽しめ、ヒガシ」との声が掛かる。
東福岡陣のトライゾーン近くで時間を過ごすこと、数分。いや、10分を超えただろうか。
最後は東福岡にスクラムコラプシングの判定が下ると、大阪桐蔭はリスタートのラインアウトからモールを押し込み、執念のトライ。
コンバージョンゴールも成功し19-14。
大阪桐蔭が再び逆転し、激しいディフェンス争いを制した。
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PHOENIX

ノーサイドの笛が吹かれた瞬間。
東福岡の選手たちの反応は、じつに様々だった。
天を仰ぐ選手。膝をついた選手。涙を見せる選手だっていた。
しかしNo.8須藤蔣一キャプテンは、ひとり毅然とした姿で整列し、仲間に「小さいこと(を大切にしよう)」と声を掛け身支度を整えさせる。
対戦校全ての選手とのハイタッチを終え、ベンチ前に戻ってくると、ようやく「いつも、最後や。規律」と悔しさを露わにした。
まずはフォワードとバックスに分かれ、反省点を洗い出した東福岡陣。
菅平での1戦目、常翔学園戦は7-52での敗戦。そのスタート地点を考えると、選手たち自身にとっても、見ている者にとっても、成長速度は一目瞭然だ。
「1試合目からちゃんと成長している」「自信を持っていい、すごいスピードで成長してきているからこのマインドで」と、ポジティブな声が選手たちからは多く聞こえた。
その後、藤田雄一郎監督を囲んだ円陣では、未来への道筋が提示される。
まずは根を張ること。
年末年始に大木の幹を携えるために、いまは多くの栄養を吸収できるよう広く深く根を張り巡らせること。
トライ(チャレンジ)して、ミスして、学んで、そしてまたトライすること。
まだ8月。チャレンジの8月。
背に宿る『PHOENIX(不死鳥)』の文字如く、東福岡は翌14日に行われる菅平最終戦・東海大大阪仰星戦でも挑戦を続ける。

スクラムハーフの黒木真洸選手(3年生)。そしてラストワンプレーでタッチラインに出てしまい、試合を終了させたことを悔やんだ左ウインガーの丸山晴矢選手(1年生)らは、涙に暮れた。1年生の背中にずっと手を回し、側にいたのは2年生のスタンドオフ橋場璃音選手だった
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