全国から高校ラグビー部が集う、夏の菅平高原。
8月15日(金)午前には、流通経済大学付属柏高校(千葉県)が天理高校(奈良県)と対戦。ともに3トライずつを決め、17-17の同点に終わった。
最初に攻撃権を得たのは流経大柏。アタックを継続し、ゴール前まで攻めた。
しかし天理がトライラインを背負ったディフェンスで守りきり、ペナルティを獲得。互いの好守が光る幕開けを見せる。
アタックで魅せたのは流経大柏。
バックスがスピードを維持しながらボールを受け取り、そのまた次のプレイヤーへと前進しながら球を放る。
たとえディフェンダーに掴まれても身一つ前に出てから放ったオフロードパス。
自在でテンポのある、そしてグラウンドを広く使う攻撃に勢いは宿った。
敵陣深くに侵入した後は、我慢しながらアタックを継続した流経大柏。横と縦のバランスを見ながら機を伺えば、決まったファーストトライ。
流経大柏が先制した。
続くリスタートキックオフでは、レシーブしたボールを蹴らなかった流経大柏。そのまま左のオープンサイドへとボールを繋ぎ、14番がビッグゲインを決めると、敵陣22mに入ったあたりで今度はSO大門歩瑠選手がグラバーキックを蹴り込む。
蹴るタイミングと蹴らない判断。中軸の8番・9番・10番が核となり、ゲームを組み立てた。
対する天理も、伝統のディフェンスでプライドをみせる。トライラインを背負った局面では特に厚みを増した。
しかし流経大柏のトランジションへの反応とオフロード力が上回った前半。
流経大柏がタックルで相手のボールをこぼさせると、すぐさまターンオーバー。そのまま前に出てオフロードを繋ぎ、トライ。
12-0。流経大柏がリードを広げた。
天理の武器であるディフェンスも随所で光ったが、しかし22m内にアタックで入ることが難しかった前半。
12-0で前半を折り返した。
後半は一転、天理がポゼッションを優位に進める。
中盤でペナルティを得れば、迷いなくラインアウトモール。トライライン前で粘り、7点を獲得した。
タックルで流れを引き寄せる天理。そしてペナルティを獲得すれば、ラインアウトモールへ。
確立された攻撃スタイルで再び押し込み、12-12。試合を振り出しに戻す。
続くキックオフレシーブをキャッチしたのは、天理の13番。そのまま力強くキャリーすれば、ハーフウェーへと進んだ。
その後組まれたスクラムでは、この日一番となる「エナジー!」の声が、天理フォワード陣から聞こえた。
続くブレイクダウンでペナルティを得ると、敵陣5mでのラインアウトを獲得した天理。三度モールを組むか、と思われたが、投げ入れられたボールがオーバーになる。
しかしそれをも見越して走り込んでいたのは天理13番。ボールを掴めば、そのままトライゾーンに持ち込んだ。
12-17。怒涛の3連続トライで、天理がこの試合初めてのリードを奪った。
ビハインドとなった流経大柏は、負けるまいと前半のようなアタックを取り戻す。
ワイドにスピード感をもってボールを動かす中から勝機を見出し、最後は11番が飛び込んでトライ。
これでコンバージョンゴールが成功すれば逆転となったが、しかし外れ17-17。
ラストキックオフからも攻めた流経大柏だったが、トライならず。
互いに悔しそうな表情で、試合を終えた。