筑波大学ラグビー部と一誠商事株式会社(本社・茨城県つくば市)は9月5日、ジャージースポンサー契約の締結会見をつくば市内で開いた。
今季から大学ラグビーでも試合中の着用物において広告掲出が認められるようになり、規定ではジャージー前面・後面、ならびにパンツ後面2か所(各100平方センチ以内)が対象となる。
筑波大ラグビー部ではこの4か所すべてにスポンサーが決まり、一誠商事はジャージー前面を担当する。
同部の古川拓生部長は「一誠商事様には2019年から支援をいただいており、公式戦のジャージースポンサーが解禁された暁にはさらにサポートをしていきたいとおっしゃって頂いていた。今回それが実現し、クラブとして非常にうれしい」と強調。
さらに「昨年創部100周年を迎えたが、これまでの100年にはなかった新しい試み。こうした取り組みが今後、大学ラグビー界全体でも進んでいくものと思う。今日はその第一歩」と語った。
また嶋﨑達也監督も、スポンサーシップが解禁された背景を説明。
「(対抗戦Aグループに属する同部は)東京のチームと戦うことが多く、移動費や備品費の高騰で学生の負担は増していた。負担軽減が一つの目的であり、同時にメディカルやコーチ体制の充実、将来的に必要となるグラウンド整備の資金確保など課題は多かった」と述べる。
その上で「筑波大は地方出身者が多く、学生生活はアパートとグラウンドの往復になりがちだが、地域企業の支援を通じてつくばの街や社会に触れる機会を得ている。身近な企業と関わりながら過ごせる4年間は、ラグビー以外でも大きな学びを与えてくれる」と、地元企業との連携の意義を強調した。
スポンサーを務める一誠商事の代表取締役・五十嵐徹氏は「当社は長年つくばで賃貸管理業を営み、筑波大生にも多く利用いただいている。日頃の利用への還元として、筑波大学のサッカー部やバスケットボール部のユニフォームスポンサーも務めてきた」と経緯を説明。
「2019年からはラグビー部の練習着にも社名を掲出してきたが、今回公式戦ジャージーで本格的に支援できるようになった。学生の段階から企業の力を取り入れ、強化を進めることは日本ラグビー全体のレベルアップにもつながる」と期待を寄せた。
また五十嵐氏の弟が嶋﨑監督とプレーした縁も明かし、「筑波大が(大学選手権で)国立競技場に進出する際には応援に駆けつけたい」と笑顔を見せた。
なお今季主将の高橋佑太朗選手は「これまでは練習用Tシャツで支援いただいていたが、今回(公式戦の)ジャージーでスポンサーいただけることになり、試合の場で共に戦うことができること、部員一同心強く感じおります」と感謝の言葉を述べ、「いただいたサポートに応えるには結果で示すしかない。筑波らしい泥臭いラグビーで勝利を重ね、恩返ししていきたい」と決意を語った。
契約は3年間。
創部100周年を超えて新たな歩みを始めた筑波大ラグビー部にとって、持続的な競技環境整備に向けた重要な一歩となりそうだ。
背面のスポンサーも、同部と関わりのある企業名が並ぶ