9月13日に開幕した関東大学ラグビー対抗戦Aグループ。翌14日、ケーズデンキスタジアム水戸で行われた明治大学と筑波大学の一戦は、スコアを先行するチームが6度も入れ替わる白熱の攻防となった。
最後に歓喜をつかんだのは、筑波大学だった。
均衡を破るトライを決めたのは明治。
前半19分、トライライン目前で得たペナルティからタップキックでサインプレーを展開し、7番・利川桐生ゲームキャプテンが押し込む。
15番・古賀龍人選手のコンバージョンゴールも決まり、7点を先行した。
しかし筑波も、すぐさま反撃に出る。
26分、左サイドを突破した中森真翔選手に主将・高橋佑太朗選手がサポートに走り込み、同点トライ。
さらに34分にはキックカウンターから左のスペースを突き、12番・今村颯汰選手がインゴールへ。10番・楢本幹志朗バイスキャプテンのコンバージョンゴールも決まれば、7-14と逆転に成功。筑波が7点をリードし、前半を折り返した。
負けられない明治は、後半開始早々主導権を奪い返す。
10分、トライライン前5mからラインアウトチャンスを得ると、2番・西野帆平選手がショートサイドを突いてトライ。続く16分には10番・伊藤龍之介選手が鋭く切れ込み、連続トライを重ねた。
17-14と再び明治が前に出る。
その後は膠着状態が続いたが、35分、再び試合が動く。
筑波15番・内田慎之甫選手が敵陣22メートル付近で防御網を破れば、素早い展開からFL中森選手が飛び込む。
17-21と筑波がリードを奪い返した。
しかし、土壇場で意地を見せたのは明治。
スクラムでペナルティを獲得し、敵陣深くでのラインアウトから攻撃を続けると、後半40分、SH田中景翔選手からの球出しを受けた19番・物部耀大朗選手がインゴールへ。伊藤選手のコンバージョンゴールも決まり、24-21。
ペナルティゴールでは追いつけない点差をつけ、勝利を引き寄せるかに思われた。
だが試合はロスタイムに突入。
守り切りたい明治と、逆転勝利を狙う筑波。
勝負を決したのは、後半45分だった。
明治のSO伊藤選手にイエローカードが提示されると、数的優位に立った筑波が敵陣ラインアウトを確保。落ち着いてフェーズを重ね、丁寧に球を繋ぐと、最後は高橋キャプテンのラスト飛ばしパスを受けた14番・濱島遼選手が右隅に飛び込んだ。
コンバージョンゴールもSO楢本選手が冷静に決め切り、ノーサイド。
最終スコア、24-28。
筑波大学が劇的な逆転で、2013年以来となる対抗戦・明治戦での勝利を飾った。