川越で刻まれた20年越しの初開催。東洋大が26-16で立正大を破る|関東大学ラグビー リーグ戦1部

9月13日に幕を開けた関東大学ラグビーリーグ戦1部。

10月25日(土)には川越運動公園陸上競技場で立正大学 対 東洋大学の一戦が行われ、16-26で東洋大学が勝利を収めた。

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途切れることのない冷たい雨が降りしきった一戦。

序盤に主導権を握ったのは立正大学だった。

敵陣でアタックを重ねると、前半7分に中央付近で反則を獲得。ペナルティゴールを選択し、FB渡邉大樹選手が落ち着いて決めれば3点を先制した。

一方の東洋大学は前半25分、敵陣でのラインアウトからモールを押し込み、HO小泉柊人選手がモールサイドを突いてトライ。

SO林星安選手のコンバージョンも決まり、3-7と逆転に成功した。

だが立正大学も粘り、前半38分に再びPGを沈めて6-7。東洋大学の1点リードで前半を折り返した。

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後半に入ると、立正大学が先に動く。5分、またしてもPGでスコアを重ね9-7と逆転した。

しかしここから東洋大学がギアを上げた。7分にモールを組めば、2番・小泉選手が押し込み再びリードを奪うと、14分にはここでもHO小泉選手が左サイドでパスを受けて3本目のトライ。

小泉選手のハットトリックで、スコアを9-19と引き離した。

勢いに乗った東洋大学は後半19分、ラインアウトから展開し、LO栗原大地選手が力強く切り込んで追加トライを挙げる。

SO林選手のゴールも決まり、16-26。この日最大となる17点差を築いた。

一矢報いたい立正大学は25分、LOヴィリケサ・リモリモ選手がゴール前で押し込み、待望のチーム初トライ。

FB渡邉選手のゴールも決まり16-26と再び10点差に詰め寄った。

しかしその後は東洋大学が冷静にゲームをコントロール。堅守で立正大学の反撃を封じると、ノーサイドの笛が響いた。

東洋大学は開幕からの連勝を4に伸ばし、勢いそのままに上位戦線へ。立正大学は勝利まであと一歩に迫りながらも、悔しい開幕4連敗となった。

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試合後コメント

立正大学

馬越涼ゲームキャプテン

雨の中、自分たちがやりたい前に出るアタックでミスやペナルティが続き、得点に繋げられなかった結果、相手に得点を与えてしまいました。修正点がいっぱい見えた試合となりました。

ーー気持ちのこもったプレーがたくさん見られました。勝ち星がない中で、どういう言葉をかけてこの試合に挑まれたのでしょうか?

「最初から最後まで出し切る」をキーワードにして、みんな戦ってくれました。

ーー残り3戦、どのように戦っていきますか?

残り3戦、絶対勝たないといけない試合になってくるので、修正点を改善して、またイチからやっていきたいと思います。

堀越正己監督

これまでの3試合に比べて、だいぶディフェンスが整ってきました。でも今日は少しオフサイドがあったので、これを修正できれば。

アタックについては、今日は雨なのにちょっと深すぎたかな、と。前から行った方が良かったんじゃないかなと思いますが、学生たち感覚です。ちょっとずつ良くはなっていると思います。

これまでの3戦は色々と試した結果の黒星。これから残り3戦に向けて、しっかり固めていくところです。

東洋大学

ステファン・ヴァハフォラウ キャプテン

自分たちのプレーを信じて、自信を持てれば点数は取れる。だから簡単にミスをするのではなくて、我慢。我慢をし続けてトライを取れるまでやっていきたいと思っていました。

今日は前半に課題があったと思うので、その課題に1週間ちゃんと取り組んでいけば、次の東海大学戦に向けて良い準備ができると思います。

主にはリンクのところ、コミュニケーションとミスを減らすことの2つにフォーカスして準備すれば十分だと思います。

福永昇三監督

この2週間はディフェンスに立ち返って準備をし「タックルから流れをもってきましょう」という試合展開に向けた準備をしてきました。

後半1つトライを取られたことは残念ではあるのですが、着実にディフェンス面でのコミュニケーション、スキルアップは見えてきています。次の東海大学戦に向けてしっかりと整えていきたいと思います。

東海大学戦は毎年、気持ちだけの勝負になりますから。情熱だけ持って、準備します。

ーー選手交替は2名に留まりました。

こういう(雨天の)状況時は、なかなかリンクしづらいという感覚があります。このコンディション、温度感に慣れている人を(出し続ける)、ということです。

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20年越しの願い、川越で結実

「こんなに(学校のグラウンドから)近い場所で、これほど素晴らしいグラウンドで試合ができるなんて当たり前じゃない。ホームで嬉しい結果になりました」

試合後、東洋大学のステファン・ヴァハフォラウ主将は笑顔を見せた。

この日の会場となった川越運動公園陸上競技場で、ラグビーの有料公式戦が行われるのは初めて。

実現するまでには、20年以上にわたり地元関係者が働きかけを続けてきた歴史がある。

念願叶っての一戦だった。


森田初恵 川越市長

観客数は332人。

これは決して多い数字ではない。

だが同日には国立競技場で日本代表戦が、埼玉県内の別会場ではU18女子全国大会が行われている中、さらに肌寒い雨が降りしきる条件にもかかわらず、300人超が記念すべき一戦を見届けようと足を運んだ。

ラグビーを愛する人々の温かな思いが、数字に表れた。

試合前には川越市長もグラウンドに立ち、雨に打たれながら挨拶する姿はまさに”ラグビー”だった。

「長年、たくさんのエネルギーと労力を使って頂いた上でこういう試合ができたことに感謝します。ぜひ、次年度以降にも繋げていってほしいなと思います」

東洋大学を率いる福永昇三監督は、地元とともに歩むクラブであることを改めて示し、歴史的なホームゲームの意義をかみしめるように言葉を結んだ。

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