今季初黒星が決勝戦。関東学院六浦、ひだまり色に輝いた準優勝|第8回全国U18女子セブンズラグビーフットボール大会

10月25日(土)、26日(日)に埼玉県熊谷市・熊谷スポーツ文化公園熊谷ラグビー場で行われた第8回全国U18女子セブンズラグビーフットボール大会。

大会3連覇を目指す関東学院六浦高等学校は決勝戦で四日市メリノール学院高等学校と対戦し、7-12。惜しくも準優勝に終わった。

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「ペナルティが起きてしまうと、うちのバッドゲームになる」

そう語ったのは、指揮を執る梅原洸監督。

決勝戦の序盤に重なった反則。個で無理をしてしまうシーンからノットリリースやボールロストを招き、流れを掴みきれなかった。

「メリ(四日市メリノール学院)も、福岡(福岡ラグビーフットボールクラブ)も、うちも、横一線なんです。これまで強く勝ってきているように見えるかもしれないけれど、実際は紙一重。今まではここにピークを合わせられていたけれど、最後の最後でできなかった。バッドゲームでした」

苦しみながらも積み上げた日々

今年は例年とは違うアプローチが必要だった。

毎年、各大会では初日の反省点を2日目に修正し、成長につなげる流れがあった。だが今年はどの大会においても、予選も決勝も「全然上手くいかなかった」と梅原監督は振り返る。

「勝ったけど、優勝できたけど、全然できなかった。その後の練習試合でもうまくいかなかったんですよね」

そんな1年間だったという。

上向きになったのは今大会直前、ここ2〜3週間のこと。

「やっとピークが上がってきた。選手と話し、選手同士でも深く話し合って、ぐっと上がってきたことは本当に頼もしかったです」

選手たち自身で良い点も悪い点も議論できる強さが芽生えていた。

大会1日目を終えた後のミーティングでも濃い議論が交わされ、「少し安心した」と監督は明かす。

準決勝では「本当に良くできた」と監督も称えるゲームができたが、決勝というタイトなゲームでは、あと一歩が及ばなかった。

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連覇の重圧。心に留めた「煖」

選手たちの手首に巻かれたテーピングには『煖』の文字があった。読みは「ひだまり」。

「人としてのあたたかさを大事にしたい」という思いを込めたスローガンだ。

さらにチームを支えてきたのが、「What’s your ELITE」と書かれた横断幕。無数の手形の裏には、歴代プレーヤーの名前が刻まれている。塗り重ねられた手形は、受け継がれてきた歴史そのものでもある。

「連覇するって、相当なことです。生徒たちはどうしても余計なプレッシャーを背負ってしまう。それを外してあげたかった。この決勝の敗戦は、今年初めての公式戦での黒星でした」

だから、この悔しさが彼女たちの次への原動力となることを梅原監督は願った。


先頭は浅利那未キャプテン。試合後、涙に暮れる仲間を一人ひとり抱きしめ、言葉を掛けた


涙で顔を覆う伊藤ちひろ選手に寄り添う梅原監督

笑顔でつなぐ関東学院六浦

試合直前、輪を作った選手たちの顔には笑顔が広がっていた。監督もスタッフも、ともに笑った。

「最初は『こんなんでいいのか』と言われたこともありました。でも、これが彼女たちのスタイルなんです」

今大会をもって、引退を迎えた3年生たち。

関東学院六浦のラグビーは、次の世代へと受け受け継がれていく。

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