8月31日に幕を開けた第105回全国高等学校ラグビーフットボール大会 埼玉県予選。
記念大会となる今年は、埼玉県から2校が全国大会へと出場するため、トーナメントは2つの山に分かれて進行した。
11月15日(土)には熊谷ラグビー場Aグラウンドで決勝2試合が行われ、慶應志木が川越東を21-19で下し初優勝。ディフェンディングチャンピオンの昌平も熊谷に36-22と勝利し、2年連続の頂点に輝いた。
決勝 試合結果
第1代表:昌平 36-22 熊谷
Bシード・熊谷が挑んだ、35年ぶりの決勝戦。相手は今季の新人戦、関東大会予選、7人制と4冠に王手をかけている昌平。
前半2分、6分と先制の連続トライを決めたのは、熊谷だった。
「チャレンジャーとして最高の滑り出し」とは熊谷・横田典之監督。14点を先取した。

しかしそこから昌平は自分たちの強みに立ち返れば、個々人の接点で上回り、FWで勝負する。
2連続トライで14-14の同点に戻した。
だが熊谷は前半終了間際、唯一の先発1年生、15番・田留継ノ介選手のビッグゲインから14番・塚田徳真選手が仕留め切る。
14-19と熊谷が5点をリードして前半を折り返した。

後半、この流れをさらに押し広げたい熊谷だったが、しかし試合巧者・昌平は一気にギアを上げた。
テンポよくボールを捌き、次々にFWを当てディフェンスを寄せた所、バックスが縦に仕掛ける。

後半重ねたトライは4つ。
対して後半に熊谷が重ねたスコアは、ペナルティゴール1つ。
修正力をみせた昌平が36-22と後半に逆転し、ノーサイド。
2年連続の4冠を達成し、6回目の花園出場を決めた。



第2代表:慶應志木 21-19 川越東
花園初出場を目指す慶應志木と、3年ぶりの花園に返り咲きたい川越東の対戦。
先制したのは川越東だった。
スピード感溢れるパス回しでディフェンスを翻弄すれば、15番・飯野幹也キャプテンが前半5分にファーストトライ。前半25分にはモールで押し込み、川越東が12点を先取した。

対する慶應志木は前半終了間際、ペナルティからタップキックでスタートを切ると、6番・足達康興選手が押し込みトライ。
7-12と慶應志木が5点差に迫った所で、前半を折り返した。

後半は慶應志木が主導権を握る。
5番・橋本瑛太選手がトライを決め、9番・荒木大志選手がコンバージョンゴールを沈めれば14-12。後半2分、この試合初めて慶應志木がリードを得た。

しかし川越東はその6分後、またしてもワイドに素早いアタックから最後は13番・谷川史人選手が切り込みトライ。
10番・岡部史寛選手がコンバージョンゴールを成功させれば、14-19と再度川越東が逆転した。

これが61年ぶりの決勝となった慶應志木。
勝負に出たのは、後半終盤だった。
武器とするモールを、グラウンドのどの場所からも仕掛ける。グラウンド中央ではリモール。前進する術を絞れば、後半19分、リモールからトライライン目前まで迫り最後は12番・浅野優心キャプテンが押し込みグラウンディングした。
SH荒木選手のコンバージョンゴールも成功。21-19と、慶應志木がリードを奪い返した。

試合最後の10分間は、慶應志木が決死のリモール戦術に打って出た。自陣22m内であっても、武器を信じ得意技を出し続ける。
一度はペナルティから川越東にボールを奪われたが、最後は守り切ってノーサイド。
慶應志木が初めての埼玉チャンピオンに輝き、悲願の花園初出場を決めた。


