「一戦一戦、確実に成長していける集団」帝京、復活の完封劇。筑波は2人の兄が託した未来「自分が満足できるプレーをしてほしい」|第62回全国大学ラグビーフットボール選手権大会・準々決勝

帝京

対抗戦では14-18で敗れていた筑波大学を相手に、この日は一切の隙を与えなかった。

36-0。帝京大学は完封という形で、準々決勝を制した。

「筑波大学さんに、感謝を伝えたい」

試合後、相馬朋和監督はまず、対戦相手への思いを口にした。

「筑波大学さんにも大きな感謝を伝えたいと思います。対抗戦で敗れ、そこから多くを学びました。今日、良いゲームをしてくれたと思います」

勝者の言葉は、実に誠実だった。

「まだまだ成長できる部分は多く残っています。ただこのチームは一戦一戦、確実に成長していける集団です」

勝ってなお、完成形ではない。

相馬監督の視線は、この1勝へ。

「素晴らしいラグビーを、みなさんにお見せしたいと思います」

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CTB大町佳生キャプテンもまた「対抗戦で負けてから、もう一度鍛え直し、リベンジしようという気持ちだった」と覚悟を口にした。

ただし、強調したのは“個”の奮闘ではない。

「メンバーだけじゃなくて、メンバー外も含めて、この試合に懸ける想いが本当に強かった。チーム全員で勝ち獲った勝利だと思います」

ベンチにいる選手、スタンドから見守る仲間、日々の練習をともにするすべての存在。

それぞれの思いを重ね合わせ、36-0というスコアに凝縮した。

しかしこの日の勝利をもってしてもなお、大町キャプテンは気を緩めない。

勝利を噛みしめつつも、足は止めない。見据えるはこの日の1勝ではなく、その先に広がる景色だ。

「一日一日を大切にしながら、日本一まで駆け上がっていきます」

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