帝京
対抗戦では14-18で敗れていた筑波大学を相手に、この日は一切の隙を与えなかった。
36-0。帝京大学は完封という形で、準々決勝を制した。

「筑波大学さんに、感謝を伝えたい」
試合後、相馬朋和監督はまず、対戦相手への思いを口にした。
「筑波大学さんにも大きな感謝を伝えたいと思います。対抗戦で敗れ、そこから多くを学びました。今日、良いゲームをしてくれたと思います」
勝者の言葉は、実に誠実だった。

「まだまだ成長できる部分は多く残っています。ただこのチームは一戦一戦、確実に成長していける集団です」
勝ってなお、完成形ではない。
相馬監督の視線は、この1勝へ。
「素晴らしいラグビーを、みなさんにお見せしたいと思います」

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CTB大町佳生キャプテンもまた「対抗戦で負けてから、もう一度鍛え直し、リベンジしようという気持ちだった」と覚悟を口にした。
ただし、強調したのは“個”の奮闘ではない。
「メンバーだけじゃなくて、メンバー外も含めて、この試合に懸ける想いが本当に強かった。チーム全員で勝ち獲った勝利だと思います」
ベンチにいる選手、スタンドから見守る仲間、日々の練習をともにするすべての存在。
それぞれの思いを重ね合わせ、36-0というスコアに凝縮した。

しかしこの日の勝利をもってしてもなお、大町キャプテンは気を緩めない。
勝利を噛みしめつつも、足は止めない。見据えるはこの日の1勝ではなく、その先に広がる景色だ。
「一日一日を大切にしながら、日本一まで駆け上がっていきます」

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