明治、3大会連続の準決勝進出。「96年分の歴史」で挑んだ関西学院、ベスト4への挑戦は来年に託される|第62回全国大学ラグビーフットボール選手権大会・準々決勝

第62回全国大学ラグビーフットボール選手権大会・準々決勝が12月20日(土)、東京・秩父宮ラグビー場で行われ、明治大学が関西学院大学に46-19で勝利。

明治大学が準決勝へと駒を進めた。

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関西学院大学

第62回全国大学ラグビーフットボール選手権大会・準々決勝。

関西学院大学は明治大学に敗れ、同校史上初となるベスト4進出はならなかった。

「全てを出し切って、勝ちに行きました」

小樋山樹監督は試合後の記者会見で、まずはそう口にした。

「我々はチャレンジャーとして、この試合に挑みました。全てを出し切って勝つ。大学選手権ベスト4という成し遂げたことのない歴史をつくろうと、今日を迎えました」

結果は及ばなかったが、それでも指揮官の口から出たのは、4年生たちへの強い信頼だった。

「4年生が見せてくれた姿勢、ハードワーク、日頃の態度。そういったものを、3年生以下が必ず受け継いでいってほしい。この日があったからベスト4に行けたんだ、といつか言えるように。この日を忘れないようにしたい」と目を腫らした。

PR中田偲響キャプテンもまた、悔しさをにじませながらも、チームの歩みを肯定した。

「今シーズンやってきたこと、自分たちの強みは出せたと思います」

特にモールは、シーズンを通して磨いてきた武器だった。

「たくさん時間をかけてきた部分です。実際にトライにつながったことは、自信になりました」

この日があったから、前に進めた。いつか、そう語られる日のために。

関西学院大学の歩みは、ここからまた始まる。

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立ち上がり続けた背中

ナンバーエイト、小林典大選手。

明治大学との準々決勝で、最もタフに、最もチームの意志を体現していた4年生のうちの1人だった。

接点で身体を張り、スティール(ジャッカル)で相手の前進を止める。

劣勢の時間帯でも、小林選手は一歩も引かなかった。

「自分の持ち味は70%、80%と出せたと思う。それは良かったのですが、それでも勝てない相手」だったと振り返った。

後半30分、自陣トライゾーン間近でのSO新井竜之介選手(1年)のパスから、明治16番・ 高比良恭介選手にインターセプト&トライを許した場面でのこと。

真っ先にルーキー駆け寄ったのは、小林選手だった。

「トライを取られたことは、しゃーなかった。『次行くぞ』『次のキックを頼むぞ』と落ち着かせました。近くにいた僕の責任でもあるんで。『次のプレーで取り返そう』という気持ちで駆け寄りました」

すぐに右腕を新井選手の肩に回し、ずっと側にいた。

昨年は関西Aリーグ最終戦で敗れ、大学選手権出場を逃した関西学院。その悔しさをバネに、歩み進んだ1年間だった。

今季、同校がここまで飛躍できた理由を問われると、小林選手は迷わず「4回生」と答える。

「メンバー外の4年生が、試合でも練習でも本気でやってくれた。4年生でいっぱいミーティングもしたし、戦術面をふまえた練習メニューも考えました。ただ応援するだけじゃなくて、全力で取り組む姿を見せてくれた。それが、僕らの原動力でした。仲良かった4年生。それがシーズンを通して成長した要因になったかな」

仲が良い、では終わらない。何でも言い合える関係性。

その繋がりこそが、チームを押し上げた1年だった。

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96年分を背負って

ルーズボールへの反応。その一歩の速さが、試合の随所で光った。

3年生LO、池辺康太郎選手。明治大学との大一番で、ひときわ強い存在感を放った。

「特別なことを意識していたわけではないです。ただ、この試合は、自分の中ですごく懸けていました」

そう語る池辺選手が背負ったのは、“96年分”の歴史だった。

「ベスト4に絶対行く、という気持ち。この4学年分だけではなく、96年分の関学が積み上げてきた歴史を背負って、絶対にベスト4に行こうと思っていました」

結果は19-46。

目標には届かなかったが「今日の試合で、やることをやればベスト4に行ける、という感触は掴めた」と自信を口にする。

来年は最終学年を迎える池辺選手。96年分の思いを97年分に変え、挑む覚悟を語った。

「みんなが思ってくれているかは分かりませんが、僕の中では大学選手権でベスト4に入って、関学に新しい歴史をつくりたいと思っています」

敗戦の中で得た手応えとともに、新しい歴史へとふたたび挑む。

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