北信越対決は日本航空石川が勝利。北越は「この悔しさが、次のステージにつながってほしい」|第105回全国高等学校ラグビーフットボール大会

試合概要

第105回全国高等学校ラグビーフットボール大会 1回戦

【対戦カード】
日本航空高等学校石川 42-17 北越高等学校

【日時】
2025年12月28日(金)13:15キックオフ

【場所】
花園第3グラウンド

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日本航空石川

試合後、PR尾芝樹心キャプテンは引き締まった表情で勝利を喜んだ。

「自分たちのやりたいことは、前半・後半を通してできていました。次の関西学院戦でも、そこを意識していきたいと思います」

自信があったのは、フォワードのセットプレー。

モールにスクラムで、強みを発揮した60分間だった。

また強いインパクトを残したのは、13番マプァエ・ウィリアミ選手。尾芝キャプテンが「チャンスの時にトライを取り切ってくれる。トライが欲しい時に取ってくれるプレイヤー」と評するとおり、力強い足腰で何度もボールを前に進めた。

「さっきの試合は、もう忘れました。プレーをしたら、もう終わり。ボールを持ったら前に出る。それだけ」

前に出ることが自らの役目であることを理解し、2回戦・関西学院戦へと挑む。

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北越

「個々の力も、チーム力も、航空さんのほうが上だと考えて準備をしてきました」

そう話したのは、増田宇宏監督。

だからこの一戦は、すべてを完璧に遂行してはじめて勝利を手繰り寄せられる戦いだった。

「表現するなら、針の穴に糸を通すようなものです。最初のラインアウトで判断ミスをしてしまったり、キックがノータッチになってしまったり。そうした一つひとつのズレがあれば、勝てない」

悔しさをにじませながら、そう振り返った。

今年5月の総体では、開志国際に10-43で敗れた。それでも全国高校ラグビー大会の県予選では、同じ相手に17-14で勝利を収めるまでに成長した。

「春に負けてから、本当によく練習を頑張って、巻き返してくれました」と指揮官は目を細める。

率いるキャプテンは、SO小林龍ノ介選手。身長186cmの大型スタンドオフだ。

「入学した時はロックでした。でも増田先生から『スタンドオフをやってみないか』と言われて、1年生の5月から10番になりました。パスを出して、仲間がトライを取った時にやりがいを感じられるポジション」だという。

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「絶対に花園に行く」

その強い思いが引き寄せた、2年ぶり3回目の花園の舞台だった。

高校からラグビーを始める選手もいる中で、同校を卒業した後も、各地でラグビーを続ける選手は多い。

「ラグビーを好きになって、続けてくれることは本当にありがたいことです」

そう語る増田監督。

だからこそ「この悔しさが、次のステージにつながってほしい」

言葉を選びながら、そう願いを込めた。

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