12月30日、東大阪市花園ラグビー場で第105回全国高等学校ラグビーフットボール大会の2回戦が行われ、16校が勝ち上がった。
第1グラウンドで行われた全6試合をレポートする。
第1グラウンド
佐賀工業 6-7 東海大大阪仰星

前半6つのペナルティがかさんだ東海大大阪仰星。
うち2つでペナルティゴールを選択した、佐賀工業。10番・吉浦太我選手がしっかりと沈め、6点を先制した。
佐賀工業の6点リードは、その後、後半27分まで続く。
勝利にはトライとコンバージョンゴールの7点が必要になる東海大大阪仰星は規律を正し、後半は反則数0に修正した。
対する佐賀工業は逆にペナルティが重なった後半。そしてついに後半28分。東海大大阪仰星が敵陣深くで16フェーズを重ねた先で、1番・朝倉久喜選手がポール真下にトライ。
12番・山﨑瑛太選手がコンバージョンゴールを沈め、逆転。
6-7で東海大大阪仰星が勝利を収めた。
常翔学園 5-37 桐蔭学園

1万3千人の観客がつめかけた一戦。
春の全国選抜大会時には、桐蔭学園が46-33で勝利していた。
この日は両校ともに反則数5つ以下と規律高く戦ったが、フォワードで取り切り、またキックパスで仕留めるなど多彩な攻撃力を見せた桐蔭学園が5-37で勝利。
常翔学園も前半11分に9番・元橋直海選手が右サイドを駆け上がりトライを決めたが、及ばなかった。

筑紫 72-0 聖光学院

「思いがけないチャンスから始まった。あそこでスコアしたかったですね」と話した、聖光学院・宇佐美和彦監督。
前半6分、敵陣深く中央で得たマイボールスクラムの機会。左外へのキックパスを蹴り込んだが、ボールはグラウンドの外に出た。
◇
対する筑紫は早々のピンチを乗り越えると、前半に5つ、後半に7つのトライを重ねる。72-0で、同校史上初の”花園年越し”を達成した。
しかし、ノーサイドの笛が鳴っても喜びの感情を表すことはなかった。 草場壮史キャプテンは、その時の感情を振り返る。
「試合の入りに課題を感じていました。自分たちはベスト8以上を目指しているチーム。もちろん(初の年越しは)嬉しかったのですが、次の相手は東海大相模。課題を修正しなければ、という危機感を感じていました」
そう、目標は年越しではない。ベスト8。だから、喜びよりも目の前の課題が先行した。
「とにかく3回戦で東海大相模とのゲームを。365日の答えを出そう、というモチベーションでした」と話したのは、長木裕監督。
2025年の1月3日。筑紫はサニックスワールドラグビーユース交流大会2025予選会で東海大相模と対戦しており、その時は0-32で敗れている。だから、1年間の成長の証を示すために、どうしても3回戦へとたどり着きたかった。
そして、いよいよ迎える今季最大のターゲットゲーム。 3回戦・東海大相模戦に向け長木監督が「フォワードとバックスが一体となったオプションを見せたい」と言えば、草場キャプテンは「この1年間で自分が一番成長したのはキック。相手にも良いキッカーはいますが、蹴り勝って筑紫のフォワードを前に進めたい」と意気込んだ。

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