2年連続の引き分け抽選に、初戦の緊張。2回戦、第3グラウンド全5試合をレポート|第105回全国高等学校ラグビーフットボール大会

12月30日、東大阪市花園ラグビー場で第105回全国高等学校ラグビーフットボール大会の2回戦が行われ、16校が勝ち上がった。

第3グラウンドで行われた全5試合をレポートする。

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第3グラウンド

中部大春日丘 26-26 大分東明

「次戦出場権あり」

学校名の下に、そう記されたのは大分東明だった。

大分東明にとっては昨年に続き、2年連続で迎えた“同点抽選”。勝敗は、最後までフィールドでは決まらなかった。

序盤は、両チームともキックを効果的に使い、落ち着いた試合運びを見せる。

先制したのは大分東明。7番・ナクルィランギ・サケナサ選手がトライを挙げ、先取点を奪った。

対する中部大春日丘は前半24分、ラインアウトからのモールで押し込み同点に追いつく。しかし4分後、大分東明13番・ナビニャータ・アパクキ選手が相手ボールをもぎ取ると、そのまま約50メートルを独走。鮮やかなトライで突き放した。

7-14。大分東明のリードで前半を折り返す。

後半に入ると、中部大春日丘が反撃に転じる。

右サイドを崩して15番・加藤秀悟選手がトライ。さらに敵陣トライライン前のスクラムから、8番・坂口湊眞選手、9番・荒木奨陽キャプテンとショートサイドでつなぎ、最後は11番・秋本倖季選手がフィニッシュした。

19-14。中部大春日丘が逆転に成功する。

しかし、大分東明も黙ってはいない。

モールからショートサイドを突くトライに続き、再びモールで押し切っての連続トライ。一気に流れを引き戻し、26-19と7点のリードを奪った。

それでも試合は終わらない。

終了間際、中部大春日丘は敵陣5メートルでのラインアウト。投げ入れたボールがオーバーしたところへ、12番・池山拓磨選手が走り込み、すくい上げてトライ。コンバージョンゴールも決まり、再び同点に追いついた。

コンバージョンゴール成功の笛が鳴った直後に響いた、ノーサイドを告げる笛。

勝敗は抽選に委ねられ、その結果、大分東明が次戦進出を決めた。

紙一重の攻防。その結末は、またしても運命に委ねられた。

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東福岡 38-24 早稲田実業

先制点を奪ったのは東福岡だった。

15番・早坂俊吾選手がパスダミーから自ら切り込み、ファーストトライ。勢いそのままに、続く好機でもモールを押し込み、追加点を挙げた。

対する早稲田実業は、まずペナルティゴールで応戦し3点を返す。さらに敵陣で連続してペナルティを獲得すると、タップキックから攻撃を継続。最後は12番・中山大翔選手が内へ切り返してトライを奪い、14-10と点差を詰めた。

しかし前半終盤、東福岡が再び主導権を握る。左サイドを崩し、12番・半田悦翔選手が約30メートルを前進。サポートについた11番・礒部聖輝選手へとつなぎ、トライに結びつけた。

21-10と東福岡のリードで前半を折り返す。

後半も先に試合を動かしたのは東福岡だった。

8番・須藤蔣一キャプテンが右サイドを力強く駆け上がり、そのままグラウンディング。流れを引き寄せたかに見えた。

だが、ハンドリングエラーは続く。初戦特有の緊張感があったという。

自陣でこぼれたボールを拾い、トライへとつなげたのは早稲田実業。2年生のスーパーエース、14番・飯泉敢太選手が鋭いステップでかわし、短く蹴り込めば、トライゾーンで自ら押さえた。

その後も互いにトライを重ねたが、東福岡は連続トライを許さない。メンバーを入れ替えながら選手交替枠をフル活用し、23人を起用。花園独特の空気を多くの選手に経験させつつ、試合を締めた。

38-24。

東福岡が勝利し、3回戦進出を決めた。

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