3回戦、全8試合の試合後の声。「根を張ってくれた場所」と「大きな一歩」|第105回全国高等学校ラグビーフットボール大会

第3グラウンド

尾道 0-44 桐蔭学園

2連覇中の王者・桐蔭学園は、尾道を無失点に抑える完封勝利で、危なげなく次のステージへと駒を進めた。

スコアだけを見れば、盤石。しかし試合後、HO堂薗尚悟キャプテンの口から語られたのは、手応えよりもむしろ「反省」に近い言葉だった。

試合序盤、ペナルティを得た場面。

ペナルティゴールを狙うか、ラインアウトからモールで押し切るか。複数の選択肢がある中で、桐蔭学園はPGを選択した。

「ミーティングで、“最初のペナルティはショット”と決めていました」

そう前置きしながらも、堂薗キャプテンは言葉を継ぐ。

「でも、あの場面で迷いが出たのも事実です。雰囲気的には、モールでも行けそうだった。キャプテンとして、もっと迷いなく(事前の決めごと通りに)判断しないといけなかったな、と」

事前に用意してきた“答え”がありながら、試合の熱量がその判断を鈍らせる。そのわずかな揺らぎに、堂薗キャプテンは花園の厳しさを感じていた。

準備してきたものを、100%そのまま表現することの難しさ。それを肌で感じられたこと自体が、この試合の勝利以上の収穫だったのかもしれない。

緻密に組み立てたプランを、どう試合の中で遂行するか。台本通りに演じ切る強さと、流れの中でアドリブを挟む判断力。

その両立こそが、準々決勝以降のステージでは問われていく。

スポンサーリンク

筑紫 17-33 東海大相模

試合後、東海大相模の三木雄介監督はまず、手応えを口にした。

「フォワードに関しては全国でも十分に通用すると感じました」

その言葉どおり、東海大相模はフォワードが軸となってゲームを前へ進めた。スクラム、ブレイクダウン、接点での圧力。どの局面を切り取っても、個の強さではなく“まとまり”として機能する。

三木監督が「非常に良いパッケージになっている」と表現したように、8人が同じ意図を共有し、同じ方向を向いて押し切る。全国の舞台であっても、自分たちの武器として胸を張れる感触があった。

一方で、勝利や内容に酔うことなく、冷静に課題を見つめていることも事実。「フォワードを前面に出せた反面、バックスのマネージメントが良くなかった」と指揮官は判断の質に課題を見出す。

2対1の局面でパスを離せなかった場面。キックを選ぶべき状況で展開してしまった場面。逆に、相手が後ろに3人構えているにもかかわらず、安易にボールを渡してしまった場面もあった。

決して大きなミスではない。だが全国レベルの舞台では、その「一瞬の選択」が試合の流れを大きく左右する。

フォワードが体を張り、時間とスペースを生み出しても、その先の判断が噛み合わなければ、得点には結びつかない。そうした“接点の先”にある課題をみつめた。

では、その判断ミスはどこから生まれたのか。

「視野の問題というよりは、プレー中に慌ててしまっていたのではないかと思います」

見えていないのではない。分かっていないわけでもない。ただ、試合の中で心が先に走ってしまう。勝ちたい、何かを起こしたい、という思いが強くなるほど、判断のスピードと正確さを欠いていく。

だからこそ、東海大相模が次に向き合うのは、技術だけではない。フォワードの強みをどう生かすのか。その時間をどう使うのか。流れが来たときに、慌てず、冷静に最善を選び続けられるかどうか。そこに、このチームがもう一段階上へ行くための鍵がある。

50大会ぶりに準々決勝へと駒を進めた東海大相模。次なる相手は、7度の優勝を誇る東福岡。

全国でも通用する“土台”は、すでに手にした。あとは、どんな判断を積み重ねていくか。

広告

長崎北陽台 12-36 御所実業

御所実業 津村晃志ゲームキャプテン

ーー強みのモールについては、いかがでしたか?
かたさもあり、全員が同じ方向で押せませんでした。まっすぐ押すのが強いモールになりますが、全員が違う方向に押してしまって回ってしまったり、自分たちよりサイズの大きい長崎北陽台さんの上からのディフェンスだったり。反則が出てしまいました。

ーー後半はこだわった?
フォワードだけでなく、バックスもスキルの高い選手がそろっているので信頼しています。中俣翔太選手はキックが飛ぶので、相手のペナルティやミスを誘い、モールを組んでディフェンスを重ねていきたいと思っていました。あと今年は展開力もあるので、バックス、フォワードー体となっていきたいと思いました。

ーー花園は楽しいですか?
めちゃくちゃ楽しいです。自分たちが良いプレーした時の会場が湧くので(笑)まだ慣れていないこともありますが、喜びをかみしめながら天理さんの分まで次も勝ちたいと思います。

広告

関西学院 14-38 國學院栃木

國學院栃木 吉岡肇監督

ーー試合を振り返りって、いかがでしたか?
いや一厳しかったですね。関学さんは諦めないチームと聞いていました。うちが終始リードしていましたが、決して諦めない。リードしていながらも安心できる時間帯がなかったですね。集中力のある猛攻をくらっているのでヒヤヒヤしていたが、選手たちはいままで通りしつこいディフェンスで頑張ったと思いますね。消耗しましたけど(笑)

ーー1試合目は守備が課題でしたが、今日の守備はいかがでしたか?
同様ですよね。頑張ってくれましたがまだまだ。花園という場所は、一試合一試合勝つことが一番の薬。真剣勝負を一日おきにやっているので、チームが一戦一戦成長していく。今日もパーフェクトではないですが、課題をもって、一試合目よりも二試合目とさらに次回成長してくれると思いますね。

ーーアタックについてはいかがでしょうか?
結論、取ったトライはナイストライです。もう少し上手く繋げばトライになったのではと思うこともありますが、それは関学さんの執念のディフェンスが簡単に取らせてくれなかった。そのような試合だったのでは、と思いますね。

広告