第62回全国大学ラグビーフットボール選手権大会の準決勝が1月2日(金)、東京・MUFGスタジアム(国立競技場)で行われた。
12時25分キックオフの第1試合では、早稲田大学と帝京大学が対戦。一時は帝京大学がリードしたものの、前半終盤以降に連続得点で引き離した早稲田大学が31-21で勝利し、2年連続の決勝進出を決めた。
また、14時45分キックオフの第2試合は明治大学と京都産業大学の一戦。序盤は互いにトライを取り合う展開となったが、規律高く戦った明治大学が着実に得点を重ね、37-19で勝利した。
この結果、1月11日(日)に行われる決勝戦は、関東大学対抗戦1位の明治大学と、同3位の早稲田大学による顔合わせに決定。決勝での同カードは、2019年度以来6大会ぶりとなる。
明治大学は14度目の、早稲田大学は17度目の大学日本一を目指し、同会場で14時10分にキックオフを迎える。
早稲田大学 31-21 帝京大学

早稲田大学
試合後「去年の決勝の悔しさを忘れず、帝京大学さんのおかげで成長できた」と語ったのは、早稲田大学の野中健吾キャプテン。
「80分間、15人で戦い続けることを意識した。特にフォワードを中心に粘り強く体を張ってくれた」と、仲間の奮闘を称えた。
率いる大田尾竜彦監督も「素直に嬉しいです。最初の20分はコンタクトで受ける場面もありましたが、しっかり戦えていたので『今日は行けるかな』という感覚がありました」と試合を振り返る。
「体を張って、上井草でやってきたことをしっかり出していた。とても頼もしく見ていました」と、選手たちへの信頼を口にした。

残す舞台は、決勝戦。
「『荒ぶる』のために、この1年間きついことをやってきた」と野中キャプテン。大田尾監督も「上井草で積み重ねてきたすべてを出し切り、生き生きとした表情でラグビーをしてほしい」と語り、2年連続の大舞台を見据えた。

帝京大学
先制トライこそ許したものの、その後の序盤20分間は「我々がやりたいことができていた時間帯だった」と振り返った相馬朋和監督。持ち味のアタックで相手にプレッシャーをかけ続け、試合を優位に進めた。

しかし、その後に流れは変わる。
「作り出したプレッシャーを、自分たちで緩めてしまったことが一番の敗因」と相馬監督。リードしている状況でタフな選択を避けてしまったことが、相手に流れを渡す要因になったと分析した。
大町主将も「一瞬の迷いがあった。その結果、自分たちがボールを保持できず、相手にスコアされてしまった」と、勝負の分かれ目を悔やむ。

また相馬監督は専門とするスクラムについて「良い結果が出なかったことは、すべて私の責任」と断言。大町主将をリザーブスタートとした采配についても「もっと早く投入すべきだった。最初から出すべきだったかもしれない」と振り返った。

一方で、選手たちへの労いも忘れない。
「この1年間、大町キャプテンを中心に作ってきたチームで、ここまで戦えたことを本当に誇りに思う。今日も数多くの素晴らしいトライを生んでくれた」と語り、「もっと勝利への執念を鍛え直し、またここに戻ってきたい」と来季への決意を示した。
4年生として最後の試合を終えた大町キャプテンも、前を向く。
「望んでいた結果ではなかったが、人生には負けることも、悔しい思いをすることもある。そのたびに立ち上がってきた」と語り、「来年以降、素晴らしい仲間たちが本当のチャンピオンになってくれると思う」と後輩たちにエールを送った。
途中出場となった自身の役割については、「チームに勇気と自信を与えたかった。特別なことをするのではなく、空いているスペースにしっかりアタックすることを意識した」と振り返った。

明治大学 37-19 京都産業大学

明治大学
試合後、神鳥裕之監督は「新年早々、素晴らしい舞台でプレーできたことに、すべての皆さんへ感謝申し上げたい」と謝意を述べた。
試合内容については「前半でしっかりスコアを広げて折り返せたことは、学生たちが準備してきたことを体現できた結果」と評価。一方で、後半に点差を詰められた点については「最後まで粘り強くアタックしてきた京都産業大学の影響で、スコアを離し切れなかった。次に向けての課題」と分析した。
平翔太キャプテンも「前半は、自分たちが掲げてきたことをいい形で徹底できた」と手応えを口にしつつ「後半、点差が開いたことで生まれた隙を突かれた部分があった」と反省点を挙げた。
特にタックル精度やディフェンスの連携を課題に挙げ「来週の決勝に向けて、しっかり準備していきたい」と気を引き締めた。

決勝の相手は早稲田大学。
「学生たちにとっては幸せなこと。これだけ注目されるゲームを(対抗戦に続いて)2回できる」と神鳥監督。特別な舞台を楽しんでほしいという思いをにじませた。


京都産業大学
「終始、明治大学さんのオフロードに対して後手に回り、前半にスコアを重ねられてしまった」と敗因を分析したのは廣瀬佳司監督。後半に修正を試みたものの、前半の点差を最後まで縮めることはできなかったと振り返った。
試合前は、こだわってきたセットプレーを起点に「相手を慌てさせる展開」を狙っていたが、前半の失点が響き、プラン通りには進まなかった。
伊藤森心キャプテンは、特に差を感じた点として「スピードとボールのリサイクル」を挙げる。
「ディフェンスが揃っていない中でも、空いたスペースへ正確にボールを展開してくる。それを捕まえきれず、下げられてしまった」と、相手の素早い攻撃に対応しきれなかったことを認めた。フィジカル面での手応えはあったものの、組織が整う前にボールを動かされ、後退を強いられたことが勝敗を分けた。

最後に下級生へのメッセージを求められた伊藤主将。「僕から偉そうに言える立場ではない」と前置きした上で、こう語った。
「京産大の強みである『謙虚に、ひたむきに努力する』姿勢は、これからも大切にしてほしい。下の代にはU23日本代表に入っている子も多くいますが、 そういうカテゴリーに縛られるんじゃなくて、自分がどの環境にいてもどのグレードにいても努力し続けることは、社会に出ても、ラグビーを続けても変わらず大事なことだと思う」

ケガからの復帰戦となった、SH村田大和選手(3年生)。大学2年時には日本代表活動にも参加している
試合終了間際、敵陣深くまで攻め込みながらもトライを奪えず、聞いたノーサイドの笛。
「戦術もクソもなく、ただ前に行くだけ。京産のプライドを示して終わりたかった」とその胸中を明かした伊藤キャプテン。
スコアには繋がらなかったが、最後まで諦めない姿勢を貫いた。
