試合概要
第105回全国高等学校ラグビーフットボール大会 準々決勝
【対戦カード】
京都成章高等学校 23-12 奈良県立御所実業高等学校
【日時】
2026年1月3日(土)11:55キックオフ
【場所】
花園第1グラウンド

京都成章
花園という舞台には、不思議な力がある。
因縁、覚悟、そして積み上げてきた時間までもが、グラウンドに表れる。
京都成章にとって、御所実業との一戦はまさにそういう試合だった。
月に2、3回は練習試合を重ねてきたという両者。顔馴染みどころではない。癖も、強みも弱みも知り尽くしている相手。
だからこそ、京都成章のゲームキャプテン・土肥祐斗選手は、この試合を「個々のコンタクト力と、やり切る力の勝負になる」と見ていた。
「1年生の頃から、ずっと近くにいた存在です。1歩でも負けたくなかった」

勝敗を分けたのは、戦術でも、奇策でもない。最後に前へ出るかどうか。その一瞬の執念だった。
笹岡空翔キャプテンが膝を負傷しグラウンドに立てない中、土肥選手はゲームキャプテンとして、そして副主将としてチームの中心に立った。
立場が変われば、視界も変わる。
「前は、自分がどうプレーするかしか見えていなかった。でも今は、しんどそうな仲間の表情に気づけるようになったし、AチームからDチームまで、全部気になります」
体格に恵まれているわけではない。だからこそ、自分に課した役割は明確でもある。
低く、前へ。
派手さはなくても、セービングや泥臭い仕事を徹底する。それが、京都成章の背番号を背負う覚悟だった。

この日は試合中に悔いの残るシーンがあった。
自ら飛び込み、トライを狙った場面。前にスペースが見え、「行ける」と判断した。だが結果は、ノートライ。テーピングが外れる不運も重なった。
「本当に申し訳なかったです」
次戦の相手は、東福岡。少しのミスが、命取りとなることは間違いない。
自分たちのスタイルを貫く決意を固め「日本一の栄光を掴みに行く」と強い自信をのぞかせた。

また率いる関崎大輔監督も、準決勝・東福岡戦を前に「あくまで、チャレンジャー」と語る。
春の全国選抜大会では勝利しているが、過去は見ない。「今は、全く別のチーム。同じ試合にはならない」と心得る。
鍵になるのはただ一つ、フィジカルだ。
「花園は、フィジカルやぞ」
かつて東福岡の藤田雄一郎監督からかけられた言葉が、関崎監督の胸に今もはっきりと残っている。
鍛えてきた身体で、どこまで真正面からぶつかることができるか。
「(その言葉を掛けてもらった)5年ほど前は、あんまり意味わかっていなかったんですけど・・・(笑)監督になってから、花園はそこが大事なんだと分かってきました」

初戦では硬さもあった京都成章。3回戦では第1グラウンドの空気に、飲まれた部分もあった。
だが御所実業戦では、本来の京都成章らしさが戻る。
仲間を思い、前へ出る。噛みつくように立ち上がり、決勝進出を狙う。

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