京都成章「日本一の栄光を掴みに行く」準決勝・東福岡戦へ。御所実業は「最後までついてきてくれて、本当にありがとう」|第105回全国高等学校ラグビーフットボール大会

御所実業

現役生にとっては、初めてたどり着いた花園の舞台。

「ここに立てていること自体が、誇りだと思っていました」

そう語るのは、御所実業のゲームキャプテン・津村晃志選手。この試合、グラウンドに立ち続けたリーダーの1人だ。

だが、その誇りを示すために積み上げてきた“ゴセのラグビー”は、思うように形にならなかった。

試合後、統括リーダーのPR藤井威吹選手は、言葉を詰まらせながら涙を流した。

「ゴセのラグビーが、何もできなかった」

悔しさの理由は、敗戦そのものだけではない。

自分たちが目指してきたスタイル、すなわち高速で外へ展開し、相手を前に出させないアグレッシブなディフェンスが、この日は機能しなかった。

原因ははっきりとしている。

「誰が誰を見るか。そこが、全然合いませんでした」

独特の緊張感。相手の勢い。

それらが重なり、試合の中で最も大切な“声”が、次第に届かなくなっていった。

ペナルティが重なり、流れを引き戻すきっかけも掴めない。修正しようとすればするほど、コミュニケーションは難しくなっていったという。

「自分が役割を果たせなかった。チームには、謝ることしかないです」

藤井選手は、そう涙をこぼした。


後輩たちにゴセを託した藤井選手「結束力をもっと強くしてほしい。基礎と基本を、もう一度大事にしてほしい。そして、必ずまた花園に戻ってきてほしい」

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4大会ぶりの花園出場となった御所実業。直近3代上の先輩たちは、花園に届かなかった。

その悔しさを引き受け、立った花園の舞台。

「頑張れ」

「勝て」

と先輩たちが託してくれた想いに応えたかった。

津村選手は言う。

漆黒のジャージーを着て、花園に立つこと。それは簡単なことではない、と。

「公立高校でも、ここまで来られる。それを、誰かに見せたかった」

だから、どれだけ苦しい展開でも、津村選手は声を止めなかった。意識していたことはただ一つ。

仲間を勇気づけること。そして、最後までやりきること。

後半、流れが相手に傾いても、声をかけ続けた。

「まだ行ける」「最後までやろう」

結果は厳しいものだったが、試合後、津村選手からは仲間への感謝に溢れる。

「最後までついてきてくれて、本当にありがとう」

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