「最初から外に振らせるつもりでした」大阪桐蔭が仕掛けた罠。國學院栃木、ベスト8で敗れ涙「本当に悔しい」|第105回全国高等学校ラグビーフットボール大会

大阪桐蔭

「最初から、外に振らせるつもりでした」

試合後、手崎颯志キャプテンは言った。

何度もボールをワイドに振り、数的有利を作り出そうとチャレンジしていた國學院栃木。

だが、その『外までボールを開く』ことこそが大阪桐蔭の術中だった。

意図は明確だった。中央を割られなければ、大きな失点にはならない。だから「外に振らせたあとに、全員でカバー」が合言葉。

外に振られても、決して焦ることはなかった。

「内側を抜かれるのが一番しんどいです。ランナーが多いので、すぐにオフロードで繋がれてしまう。だから外側で1対1を作って、少しゲインされたとしてもカバーすれば間に合う」

大阪桐蔭にとって、外に展開されることはあくまでも想定内だったのだ。


外側で國學院栃木の攻撃を止め、雄叫びをあげる手崎キャプテン

昨年、この舞台で味わった悔しさがある。

優勝候補と目されながらも、桐蔭学園の前に散った準々決勝。

当時2年生ながらその試合に先発出場していた手崎キャプテンは、「本当に悔しかった」と振り返った。

だから、今年の準々決勝前。試合前、大阪桐蔭の選手たちからは「昨年越えられなかった壁」の話題が出ることもあったという。

だが手崎キャプテン自身は、あえて触れないようにした。

「今年は、俺たちのラグビーをするだけ」

緊張感を与えぬような声掛けに終始した。

「去年なんか気にしやんと、俺たちのラグビーやるだけやぞ」

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綾部正史監督もまた「しんどい試合になるのは、最初から分かっていました」と言った。

國學院栃木のブレイクダウンへの寄りの速さ。そこは、事前に強く意識してきたポイントだった。

「2人目が早い。そこをどう上回るか」

アタックでも、ディフェンスでも、意識を高く保つこと。大きく崩されなかった理由は、そこにあった。

もちろん、ペナルティはあった。同点に追いつかれる場面もあった。

それでも「全然、慌てていなかったですね」。

最後まで、選手たちは大阪桐蔭のラグビーを遂行していた。

そして綾部監督の言葉は、意外な本音へと続く。

「正直、よくここまで来たなと思ってます」

今年の大阪桐蔭は、決して順風満帆ではなかった。

「最初は『今年は弱いんやで』って言い続けていました」

春先には手も足も出ず、完敗を喫した経験もあった。

「大崩ればっかりしてましたね」

だがその敗北が、チームを変えた。

トライを取られること自体は、ラグビーでは起こりうる。問題は、そのあと。

「大きく崩れなくなった。それが一番の成長です」

ディフェンスを統率し、粘り、踏みとどまる。それができるようになった大阪桐蔭はいま、間違いなく強い。

焦らないこと。今に集中すること。

花園で、その姿勢を貫くことのできるチームが、また一つ前へと進んだ。

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