桐蔭学園
勝ったからこそ、課題が浮き彫りになる試合だった。
藤原秀之監督は、全体の試合運びについてこう評価する。
「32点獲得したところまでは、良い流れでした。今大会の中では、今日が一番安定していたと思います」
フォワードとバックスの連動性についても、手応えを得る。
「バックスにミスはありましたが、トライのバランスは良かった。全体として、バランスの取れた内容でした。2回戦、3回戦ではあまり使っていなかったオプションを、少しずつ使い始めています」と新たな一手を加えながら挑んだ準々決勝だった。
勝ち上がるために、引き出しを小出しにしていく。その冷静さも、2連覇中の王者らしい。

一方で藤原監督は、終盤の戦い方に厳しい言葉を向けた。
「ダメでしたね。だらしないですね。ペナルティも多かったし、反省です。大反省」
6枚の交代カードを一気に切った後半最終盤。2分間のうちに2本のトライを許したことは、頂点を目指す上で見逃すことはできない。
12番・坪井悠選手も言う。
「控えの選手たちにも『自分たちも試合に出るんだ』という危機感を持ってもらわなければいけない。その点は、しっかりとミーティングで伝えていく必要がある」と表情を引き締めた。

多彩な得点バリエーション
HO堂薗尚悟キャプテンは、試合をこう振り返る。
「自分たちの形で得点はできました。でも、自陣ゴール前でのミスが多かった。キックオフのキャッチミスや、キック処理でのミスが、相手のチャンスにつながってしまった。ワンプレー、ワンプレーのミスの重さを、全員が感じた試合だったと思います」
全国の舞台では、ほんの一瞬の綻びが流れを変える。そのことを勝利の中で再確認できたことが収穫だ。

攻撃面に目を向ければ、得点バリエーションが豊富だったことは好材料。
スペースにボールを運んだり、ドロップゴールを狙ったり。多彩な攻撃オプションを示した。
前半終了間際には、相手陣深くで得たラインアウトチャンスから、モールで押し切る一幕も。
「フォワードで『ここは取り切ろう』と話していました」
迷いのない一押しでリードを広げ、前半を折り返せたこともまた、自信に繋がった。

3校目の大阪撃破へ
頂上まで、残り2勝。勝負は佳境に入った。
準決勝の相手は、大阪桐蔭。今大会、じつに3校目の大阪勢との対戦を迎える。
CTB坪井選手は「強い相手と戦えるのは、本当に幸せなこと」と言った。
「勝つためには通らなければならない道。今は『やってやる』という気持ちしかありません」
ディフェンディングチャンピオンに、迷いはない。


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