令和7年度 埼玉県高等学校ラグビーフットボール新人大会の準決勝2試合が1月25日(日)、くまぴあグラウンドで行われ、熊谷高校が熊谷工業高校に52-14で勝利。川越東高校も昌平高校に19-5で競り勝ち、熊谷高校と川越東高校が1月31日(土)に行われる決勝戦へと進出した。
また両校は、2月に行われる第26回 関東高等学校ラグビーフットボール新人大会への出場が決定した。
熊谷 52-14 熊谷工業
熊谷ダービーは、熊谷高校の3連続トライで幕を開けた。
キックオフから敵陣で試合を進めた熊谷は、トライゾーン前でペナルティを獲得。タップスタートから4番・関口颯選手が先制トライを奪い、コンバージョンゴールも成功。7点を先行した。
続く得点は50:22からのラインアウトを起点に展開。大きくボールを動かし、大外で追加点を挙げる。さらにハーフウェーライン付近のラインアウトから、フィールド中央で10番と12番のコンビネーションでラインブレイク。最後は10番・田留継ノ介選手が大外へキックパスを蹴り、トライへとつなげた。

一気に流れを引き寄せた熊谷に対し、熊谷工業も徐々に試合に適応する。
ロングキックで敵陣深くに侵入し、最後はフォワードで押し込んでトライ。コンバージョンゴールも成功させ、7点を返した。

しかし熊谷は動じない。
敵陣深くでのスクラムから8番・若林夢翔キャプテンが持ち出し、前進。テンポ良くボールをつなぎ、右サイドで押し込んで再びトライを奪う。
前半終了間際にも1トライを加え、33-7と熊谷の26点リードで前半を折り返した。

後半も主導権を握ったのは熊谷だった。
10番・田留源太郎選手(2年)と、12番・田留継ノ介選手(1年)の田留兄弟を中心に攻撃を組み立てる。洗練された球繋ぎからSO田留継ノ介選手が切り込んだのち、パスを放った先でトライ。後半最初の得点を熊谷にもたらした。
このまま熊谷の流れが続くかと思われたが、蹴り返したキックがダイレクトタッチとなり、熊谷工業が敵陣深くでプレーする時間を確保。そこから熊谷工業のフォワードが連続して当たり、トライライン目前まで迫ると、最後は2番のキャプテンが押し込み、スコアを14点に伸ばした。

それでも熊谷は引きずらない。キックカウンターからSO田留選手が個人技でトライを決め、試合終了間際にも再び個人技でトライを追加。
前後半あわせて計8トライを奪った熊谷が、決勝進出を決めた。

熊谷
192cmと188cmのツインタワーで制空権を握り、ボールを持てばスタンドオフとインサイドセンターで攻撃の地図を描く。
圧倒的な攻撃力を武器に、熊谷高校が関東新人大会初出場を決めた。

「10番も15番も両方できるように育てたかった」
横田典之監督は昨年、田留継ノ介選手を最後尾に置いた。スペースでボールを持ち、走る経験を積むことで、パス・キック・ランのバランスに優れたプレイヤーへと進化。今季からスタンドオフへコンバートすると、次に繰り出すプレーの予測できぬ司令塔になった。
コンタクトの瞬間に体を翻し、タックルを受け流すボディバランスも特長だ。
「体が小さい分、普通なら2歩のところを3歩でタイミングをずらす。サッカーのメッシみたいなものです。タックルレンジに入ったと思っても、もう一歩踏むからスルッと抜ける」と横田監督は説明する。

田留選手自身も「マークされていることは分かっているので、どう外すかを考えながらプレーしています」と語る。
「(12番の兄・田留)源太郎を当てたり、当てるふりをして自分が仕掛けたり。『2人でゲームをコントロールしよう』とずっと話していました。それができて良かったです」と笑顔を見せる。
身長164cmと決して大きくはないが、そのプレースタイルも相まって、明治大学の伊藤龍之介選手を彷彿とさせる存在感を放つ田留選手。
スピード、コースセンス、そして“いやらしさ”を武器に、チームを勝たせるスタンドオフへと成長を遂げている。

◇
今季キャプテンを務めるのはナンバーエイトの若林夢翔選手。
「過去の先輩たちが挑み続けてきて、自分たちの代で関東新人大会に行けることが本当に嬉しい」と喜びを語る一方、トライゾーン前のディフェンスで2トライを許した点には「フォワードの弱さが出てしまった」と反省を口にする。決勝戦に向けた課題を挙げた。
横田監督も「関東新人大会に出場できるのは嬉しいですが、まずは決勝。しっかり準備して、全国選抜大会に地力で行けるようにしたい」と、来週の初戴冠を目指す。

熊谷工業
2年生5人、1年生10人という若い編成で準決勝に臨んだ熊谷工業。特にバックスは7人中6人が1年生と経験値の浅い陣容だった。
ワイドにボールを動かした先で前進する術には課題を残したが、敵陣深くに入り込めば得点につなげられる力を示した60分間。
新チームとなってから、北部地区大会と県大会を合わせてこれが6試合目の公式戦。
「7試合の公式戦を経験できることは大きい」(橋本大介監督)と、この大会で得た経験を今後のチーム作りへとつなげていく。


- 1
- 2