第51期高校日本代表編成に向け、最終候補30人で行われた2025年度 第4回TIDユースキャンプ(高校日本代表候補合宿)。
4日間の合宿を経て、イングランド遠征に向かう26人が決定する。
桜のジャージーを目指す高校生たちの、いまの想いとは。
6人の若きチャレンジャーたちに、覚悟を聞いた。
HO津村晃志選手
奈良県立御所実業高等学校3年
30人に選ばれたと聞いた時は、素直に嬉しかったですし、ホッとした気持ちもありました。でもそれ以上に強く思ったのは、「ここからが本当の勝負だな」ということ。自分が持っているスキルや実力をもう一度しっかり指導者さんたちに見てもらって、最終選考まで残る。そのために、この合宿では何を出せるかを常に考えていました。
4日間の合宿を過ごしてみて改めて感じたのは、周りのレベルの高さです。練習への取り組み方もそうですし、スキルの部分でも、自分の高校にいる選手たちと比べても「倍くらいすごいな」と思う選手がたくさんいました。その中に身を置いて、自分自身も学ぶことが本当に多かったです。
イングランドという相手を考えると、体の大きさでは間違いなく向こうが上です。だからこそ、同じ土俵でぶつかるのではなく、日本ラグビーの強みである「速さ」や「低さ」、一つひとつの細かいスキルで勝負しないといけないと思っています。里さん(里大輔パフォーマンスコーチ)から教わったことを、大きな相手に対してどれだけ体現できるか。その大切さを、この4日間で実感しました。
次の2月の合宿までの時間も、ただ待つつもりはありません。この合宿で教わったことは、自分の中だけに留めるのではなく、チームに持ち帰って仲間にも伝えていきたいですし、自分自身のプレーも、より正確なものにしていきたいと思っています。
チームとして大事なのは、15人の中で数人だけが頑張るのではなく、全員がハードワークして、体を当て続けることだと思います。今回選ばれなかった高校生たちの分も背負って、自分たちは桜のジャージーを着て戦う。その責任を、全員が自覚しなければいけないと感じています。
海外のレフリーとのコミュニケーションについては、正直に言うと英語は得意ではありません。サニックスワールドユースで海外レフリーと試合をした時も、うまくコミュニケーションが取れず、難しさを感じました。ただ、チームには英語が話せる選手もいます。南川選手は海外に3年間住んでいた帰国子女で、英語はペラペラなので、そういう選手と連携しながら対応していけたらと思っています。
個人としてのテーマは、体の大きさにとらわれすぎないこと。ポジションの中では小さい方なので、今持っている運動量やスキルを最大限に生かしたいと思っています。そのうえで、体の大きさに関係なく、貪欲に体を当て続けて、低く入り込む。そうすることで、大きな相手がアタックしづらくなるようなプレーを目指しています。
2月の合宿では、大学生とのコンタクトもあります。相手が年上だからといって待っていても、自分たちは成長できません。自分たちからアプローチしていくことが大事だと思っているので、大学生相手でも恐れずに飛び込んでいきたいです。
花園後も、あまり休んではいません。選出の報告を受けてからは、高校の後輩たちの練習に参加したり、自分でブロンコテストを走ったりして、体を動かしてきました。桑原監督からも事前に「海外のチームと戦うための前提を揃える」という言葉を伝えられていました。高校日本代表に選ばれたらしっかりと自覚を持って、自分から働きかける。その姿勢を忘れずに、次につなげていきたいと思っています。

FL/NO8 南川祐樹選手
京都成章高等学校3年
僕は小学2年生から5年生までの約3年間、オーストラリアのゴールドコーストに住んでいました。移住の理由はラグビーではなく、家族で英語を学ぶため。ラグビーは現地で生活する中で知り、オーストラリアで始めました。
オーストラリアでは「サウスポートタイガース」というクラブチームでプレーしていました。日本に帰国してからは、三田ラグビークラブに入り、そこでまたラグビーを続けてきました。
なので英語でのプレーには慣れています。英語は、けっこう喋れる方だと思います。海外ではレフリーとのコミュニケーションも大切なので、英語力は自分の強みの一つ。ただ、そのことをコーチ陣には言ったことがないので・・・誰も知らないと思います(笑)
プレー面での強みは、ボールを持った時のスピードとランです。高校日本代表でもバックスではなく、バックローでプレー予定。スペースがあれば積極的に仕掛けていくのが、自分のスタイルです。
去年のU19イングランド戦を見て感じたのは、やはり相手の体の大きさと強さ、そしてスキルの高さでした。正直、コンタクトだけで真っ向から勝つのは無理だからこそ、ジャパンらしいスピードのあるアタックと、前に出るディフェンスが大事になる。そこを徹底できれば、十分に勝機はあると感じています。

FL/NO8 ロケティ・ブルースネオル
目黒学院高等学校3年
高校に入った時から、「高校日本代表に入る」というのはずっと目標でした。1年生の頃から選ばれる機会はありましたが、怪我などが重なって実際に参加することはできませんでした。だからこそ、3年生になってようやくこの舞台に立てたことは、本当に嬉しいです。
桜のマークがついたジャージーを着るというのは、ただ代表のユニフォームを着る、という感覚ではありません。「日本のために戦う」という意味があるものだと思っています。その重みは、しっかり感じています。
これまで日本語もたくさん勉強してきましたし、フォワードリーダーやバイスキャプテンとして、少しずつ階段を上がってきました。全国の高校3年生を代表してイングランドに行くということに、責任を感じていないわけがありません。相手は体も大きいし、強いチームだと思います。でも、だからといって引くつもりはありません。自分が持っているスピードや強さを、すべて出し切りたいと思っています。
強い相手に対しては、待っていても何も起きない。だからこそ、自分から体を当てにいく。自分が前に出ることで、周りの日本人選手たちも「いける」「勝てる」と思えるようなプレーをしたいです。それが、自分にできる一つの役割だと思っています。
イングランドに行けば、自分と同じように体が大きくて強い選手がたくさんいると思います。日本にいる時のように、特別な存在でいられるわけではありません。それはもう、覚悟できています。向こうでは、それが「普通」になる。その中で、自分が何を出せるかが大事だと思っています。
もし試合の中でうまくいかない場面があったとしても、自分のやることは変わりません。自分一人で無理に何かをしようとするのではなく、チームのラグビーを遂行すること。弱気な顔はせず、前に出続ける。それが、自分のやるべきことです。

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