【第51期高校日本代表】26人でつくる、25の結び目。打倒U19イングランド代表へ、いざ

イングランドの地で挑むテストマッチは、格別なものとなるだろう。

異なる文化やスタイルを背負って集まった選手たちが、一つの「ジャパン」として結ばれるその最初の試金石が、ラグビー高校日本代表だ。

2025年度に結成されるは、第51期高校日本代表。高校生年代の日本代表活動が始まってから、実に半世紀以上の時が流れたことになる。

日本ラグビーフットボール協会が設立100周年を迎える節目の今年、ラグビー発祥の地・イングランドへの遠征が実現した。対するはU19イングランド代表。昨年も同地で対戦し、47-52と5点差で惜敗している相手である。

その悔しさを知る桑原立監督(就任2季目)が、第51期のキャプテンに据えたのがロケティ・ブルースネオル選手(目黒学院)だ。トンガ出身の18歳。長い高校日本代表の歴史の中で、留学生が主将を務めるのは初めてだという。

選出理由を問われた指揮官は「直感だった」と語る。ハドルの中で発せられる前向きな言葉。つたなくとも真っ直ぐに伝わる日本語の思い。その姿がチームに勇気をもたらすと感じたからだ。英語が話せることは後付けに過ぎない。

ロケティ選手自身にとっても、キャプテンは初めての経験となる。2月の関西合宿を前に、桑原監督から電話で打診を受けた日を振り返れば「嬉しくて、即答しました」とはにかむ。

「プレッシャーを感じるとうまくいかないので、あまり考えないようにしています」

その表情に迷いはない。


練習中、仲間の表情を何度も確認したロケティ主将

彼が目指すのは、言葉以上にプレーで示すリーダーシップだ。

相手が大きく、強く、苦しい局面にこそ、自らボールを持って前へ出る。体を張り、声を出し続ける。それが主将としての責務だと信じている。

そんな主将が掲げた今期のスローガンは「KNOTS」。結び目、という意味を持つ。

チームは発足当初、決してまとまっていたわけではなかった。各校で培ってきた規律や勝ち方、価値観の違いが、プレーや生活の随所に表れていたという。だからこそロケティ選手は「まず一つになること」を最優先に据えた。

グラウンド内だけでなく、生活面や日常の規律にも目を向ける。「個人のスタイルではなく、ジャパンのスタイルで戦う」。その言葉には、チームを束ねたいという強い意志が宿る。

一方で、初の留学生主将を支えるのは、バイスキャプテンの福田恒秀道選手(國學院栃木)。監督から任命を告げられた際、こちらも「やります」と即答したという。評価された喜びと同時に、責任の重さも感じた。それでも「ロケティはプレーでも声でもチームを引っ張れる存在。だから自分は生活面や日々の行動でチームを揃える役割を担いたい」と、自らの役割を見据える。

戦術理解の面でも、福田バイスキャプテンの存在は欠かせない。ロケティ主将が日本語で細かな意図を伝えきれない場面では、それを整理し、全員に分かりやすく共有する。U17関東ブロック代表のセレクション合宿で出会って以来、築いてきた2人の信頼関係を土台に、チームにまとまりをもたらす。

対するU19イングランド代表は、すでにフランスとの試合を経験し、U20キャップ保持者も名を連ねる”言わずもがな”強豪だ。経験値では明らかに上回る。だから福田バイスキャプテンは言う。「個々の力では圧倒的に相手が上。だからこそ日本の組織力で戦わなければ倒せない」と。

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遠征中にはオックスフォード大学やラグビー校とのセッションも予定されており、チームが成熟していく機会は多い。3月17日に行われた遠征初戦、U19ハーレクインズ戦では試合終了間際に逆転を許し、36―-38で敗れた。その悔しさを、次なる大一番で晴らしたい。

攻撃的なアタックとディフェンスで主導権を握り、ボールを持つ時間を増やすこと。それが桑原監督の描く高校日本代表の姿だ。移動の多い過密日程の中でも、選手たちは確実に刺激を受け、成長している。

「バラバラでは勝てない。でも一つになれば勝てる」

ロケティ主将の言葉が、チーム全員の覚悟を映し出す。

KNOTS。26人で25の結び目をつくり、日本らしい低く速い包囲網を武器に、高校日本代表はいざU19イングランド代表とのテストマッチへ。

21日14時(現地時間)にキックオフを迎える。

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