3回戦 川越東v草加【第100回全国高等学校ラグビーフットボール大会埼玉県予選】

ラグビーの季節がやってきた。

約半年ぶりの公式戦。そして、3年生にとっては最後の戦い。

花園を目指し、青春をかけて戦う選手たちをレポートする。

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試合概要

【対戦カード】
川越東高等学校(以下、川越東)v 埼玉県立草加高等学校(以下、草加)

【日時】
2020年10月11日(日)10:00キックオフ

【場所】
熊谷ラグビー場Bグラウンド

試合結果

川越東 61 – 7 草加

試合展開

川越東:黄ジャージ、草加:青ジャージ

今年2月に行われた高校ラグビー新人戦埼玉県大会、王冠を手にしたのは川越東。初優勝だった。

昨年の全国予選決勝で浦和に敗れた後、”裏花園”と呼ばれるサニックスワールドラグビーユース交流大会2020予選会には出場せず、初の大阪遠征を選んだ。「実際に花園ラグビー場を訪れ浦和の活躍を目の当たりにすることで、自分たちの目指すべき場所が明確になった。」そう語るのは、川越東の望月雅之監督。

対するは前節から1週間、良い試合をするためではなく「勝つための準備」をしてきたという草加・小林剛監督。「熊谷ラグビー場」で試合をすることに慣れていない選手たちだが、高校生は1週間で見違えるほど成長するから楽しい。

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試合は、さすがのAシード。終始、川越東のペースで進む。

前半9分のスクラムハーフによる50m独走トライを皮切りに、30m以上走り切ってのトライは前後半合わせて5本にのぼった。

中でも圧巻だったのは、前半24分。15番・江田優太選手(キャプテン)が、相手に囲まれながらもフィジカルの高さと抜群のスピードで抜き切った50m。実はラグビーを始めたのは高校からで、中学生まではサッカー部に所属していた。望月監督曰く「ラグビー経験者をあっという間に抜いた」ラグビーセンスの持ち主だ。

 

個々の能力の高さが垣間見えた一方、難しい姿勢でのオフロードが通らず、簡単にボールを渡してしまう場面が目立った。内側からのサポート枚数も、理想とする形ではなかった。

悪い部分を、個々の能力でカバーした初戦。頂を目指すには、チームとしての更なる進化が求められる。

 

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Aシードから何としても1トライを返したい草加は、後半24分。ハーフウェイ付近から抜け出したのは9番のキャプテン・吉田選手。11番にパスすると、ショートパントで川越東のノックオンを誘う。

敵陣22m付近、マイボールスクラム。最後のチャンス。

しっかりと組んだスクラムから9番がボールアウトし、再び11番へ託す。意地でインゴールへ押し込んだ時には、時計の針は26分を回っていた。「ふだんはあっさりしている選手だが、気持ちで持っていってくれた」と目を細めた小林監督、ベンチからも今日一番の歓声が響いた。

試合中、リザーブの選手たちに向かって今目の前で行われたプレーについての解説と改善点を指南していた小林監督。実は浦和高校が昭和34年以来2回目の花園出場を決めた平成25年度、浦和高校で指揮を執っていたのだ。初心者に教えることの難しさと楽しみを知っているからこそ、試合中にも選手たちのラグビーナレッジ向上に充てる。

今日は、最後までピッチに立ちたいという意志を見せてくれた選手たち。ラグビーを通じて人間的な成長が見られたことが嬉しい。

近くて遠い熊谷ラグビー場Aグラウンド。「来年は、あそこで試合しよう。」試合後、選手たちに向かって声を掛けた。

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試合後のコメント

川越東 望月雅之監督
「Aシードに良い戦いを挑んだ草加を称えたい。(準決勝・伊奈学園戦では)個々で突破するだけではなく、形でトライを取り切らないといけない。」

川越東 江田優太キャプテン(15番、3年生)
「雨で満足な練習が出来ない中迎えた初戦、体的にも気持ちの部分でも準備不足だった。(次戦に向けて)熊谷ラグビー場Aグラウンドでできることに感謝して、『みんなで戦う』をモットーに挑みたい。」

草加 小林剛監督
「キックを蹴らずに攻めよう、という戦略だった。最初の10分、相手の強力なフィジカルに対して構えてしまった部分がある。キーマンだった3年生が早々に痛めてベンチに下がってしまったのも苦しい要因の一つだった。」

最後のノーサイド

草加 小林監督から、選手たちに向けてのメッセージ
「3年生はラグビー部での経験を糧に、人間的に成長してほしい。仲間は大切にしてください。お疲れ様でした、ありがとう。(下級生に対しては)花園予選の3回戦まで先輩たちが連れてきてくれたことが、何よりの置き土産。この積み重ねが、部の伝統を作る。君たちも新しい伝統を加えていこう。」

草加 吉田飛翔キャプテン(9番、3年生)から、ともに闘った仲間へのメッセージ
「引っ張れないキャプテンだったが、ついてきてくれてありがとう。楽しかった。3年間続けられて良かったと思う。1・2年生は、苦しいこともあるだろうが辞めずに頑張ってほしい。」

川越東 江田キャプテンから、草加高校へのエール
「草加のディフェンスが良く、自分たちのミスに繋がったシーンもあった。草加の分まで戦い、花園に出場することで恩返しがしたい。」

 

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